日本のすがた・かたち

2017年4月26日
リニューアル

IMG_3398.JPG「お変わりないですか?」

HPへの書き込みが二週間以上過ぎると、心配してメールで尋ねてくれる方がいます。

「有難う。多用につき・・・」と返信します。

国内外からいつもブログを読んでくれている方がいることを励みにして一文を書いていることもあり、なるべく間が空かないようにと思っているのですが、多用につき・・・。

 

「本業の建築事務所のHPはないのですか?」

この問い合わせも時々頂きます。

私は生来、天邪鬼なところがあり、自分の設計した建築を自分の作品としてみていないところがあります。我が国では、建築は「普請」であり、大勢の人によって造られ、昔の人は普く請うという意味で普請と呼んでいました。

 私の建築に対する姿も普請であり、建築家はその中の設計監理を担っているもので、己の作品とはおこがましいと思っているところがあるため、HPなどで宣伝がましくしないというものです。

これは西欧諸国の建築家像と日本の棟梁像との歴史的な相違いだと思います。

作品という響きは芸術行為で、設計者の個人的創作を顕彰したもので、普請は集団の創作行為ということで、出来たものは建築に違いないので、まあ見解の相違ということだと思います。これを私は「日本人の秘めた羞恥心」としています。

友人の建築家たちは、自信の無さだ、と嗤いますが、まあ、自信の溢れるという建築作品も一過性で30年も経たず壊されることを見るにつけ、大した作品ではないことは確かです。

その様な分けで、HPを仕事の宣伝に使わないようにしていますが、結局は自分を知ってもらおうとしている分けですから、宣伝も半分ということになります。

 

月の初旬にHPをリニューアルすることにしています。

3年遅れている「三島御寮」造営計画と新之介文庫の活動が新たな段階を迎えたこと、盟友佐々木広志氏の遺志を継ぎ、造営計画の資金調達を具体的に進める運びになったこと、HPも含めそれらをトータル的に管理してくれる方が現れたことによります。

 G・珎玄齋マーク.jpg自前の画廊「ギャラリー珎玄齋」のHPを立ち上げてから約20年近く経ちます。

インターネット、AIに象徴されますが、この間の世の中の変化は想像を超えています。

生きものの人間がどのように変化して行くのか興味は尽きません。

 

歴史は繰り返します。人間に好きや愛す、という感情がある限り争いは絶えません。過去と現在の歴史が示しているように、人を殺めることも戦争もなくなることはないと思います。要は人間が調整能力やバランス感覚を高める以外に手がないように思います。

それを養うには美しいもの、芸術に触れ、品性を高めることだと先賢は教えています。

 

夥しい日々の連続の一生ですが、リニューアルを繰り返し、学問も子育ても仕事も何もかも、美しい思いを道連れにできたらいいな、と思う昨今です。

    

   この頃は 道も尋ねず 空を観る

 

  写真:刻々と変わり行く故郷の海・熱海湾

 

 


2017年4月26日