日本のすがた・かたち
今夏の暑さは格別で、地球の鼓動を肌で感じるような熱気です。
都知事選からリオ五輪、高校野球などで湧き、尖閣域には中国船が浸入を繰り返しています。
この最中、天皇陛下がお言葉を述べられました。
内容は日本憲法における象徴天皇の務めに関することでしたが、一重に責務を果たされようとされているお姿が象徴的でした。
何故、天皇は国民に崇められて来たのか。
このお言葉を伺いながら、私は天皇家の祖とされるヒルメムチ(天照大神)が、約二千年前に執った行動により、今日まで崇拝されて来たのだと実感しました。
その行動は、当時海からの侵入していた異民族の駆逐でした。
それを『飛騨の口碑』では天孫降臨としています。
岐阜県飛騨の丹生川地方に、日本建国の様子を伝えた口碑(言伝え)が存在していましたそこには皇統(スメラ尊)誕生の経緯から、「古事記」、「日本書紀」にいう「出雲国譲り」「天孫降臨」「神武東征」などの物語に隠された史実と、出雲が大和朝廷の権力を握ったことなどが述べられていました。
飛騨に伝わる口碑の要点は、
1.ヒルメムチ(天照大神)は飛騨に生まれた実在の女性。
2.異民族の侵略から日本列島を守り、日本を統一した。(前1世紀頃)
3.渡来系出雲族が、全国に出雲神道(神社)を広め、権力を掌握した。(3世紀)
4.史実を神話に変えて『記紀』を編纂し、弥生時代末の歴史を都合よく作り変えた。
5.縄文時代(1万年~3千年前)の先祖の歴史を都合よく消している。
これは、拙書『伊勢神宮』執筆の折に追跡調査してきたことでもあります。
日本は有史以来、前1世紀頃の九州地方に襲来した異民族との戦い、13世紀の元寇との戦、そして20世紀の敗戦と三度にわたる危機に遭ってきました。
その最初の侵略者と戦ったのが飛騨天孫族であり、その指揮を執ったのが現在の伊勢神宮内宮に祀られているヒルメムチ・天照大神でした。この時にクニをひとつにまとめ外敵を追い払ったため日本国の祖となったのです。
その後天照大神の玄孫のサヌ命が神武天皇として即位したことにより、天皇家の皇統が定まり、今日に至ったという分けです。
天皇陛下が日本国民に崇められているのは、この二千年余に亘る時間の蓄積であり、他に類例のない日本人の育んだ道徳(古神道)ゆえだと思います。
現在、中国の侵略が眼に見えてきた昨今、私たち日本人の執るべき道を決めるのは私たちとなります。
自分の、家族の命と生活を守り、地域の、国の平和を守るのは国民の責務です。
参考 「アインシュタインの講演録」(94年前、日本を訪問したアインシュタインは、早稲田大学での講演)
「近代日本の発達ほど、世界を驚かしたものはない。この驚異的な発展には、他の国と異なる何ものかがなくてはならない。果たせるかな、この国の三千年の歴史がそれであった。この長い歴史を通じて一系の天皇をいただいていることが、今日の日本をあらしめたのである」。
「世界の未来は進むだけ進み、その間、いくどか争いは繰り返され、最後は闘いに疲れる時が来る。その時、人類はまことの平和を求め、世界的な盟主をあげなければならない。世界の盟主なるものは、武力や金力ではなく、あらゆる国の歴史を抜き越えた、最も古く、また尊い家柄でなくてはならぬ。世界の文化はアジアに始まり、アジアに帰る。それはアジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない」。
写真: 即位の礼・大嘗祭が行われる「高御座(たかみくら)」
TP「神武天皇」wikipedia