日本のすがた・かたち
世界の中で1万数千年間も民族が変わらずにいるのは、日本だけでのように思います。
アジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパでの過去の歴史を俯瞰すると、民族間で争い、勝者が国を作り、また滅ぼされることが繰返されてきました。
アメリカは先住民族から土地を奪ってから二百年ほどの歴史です。植民地政策を推し進め、民族の文化を変容させていったヨーロッパ諸国のイギリスの歴史でさえ4百年余です。
中国は4千年の歴史といいますが、現在の一党独裁が始まって未だ70年。満州族の征服王朝だった清朝が終わってからみても百年ほどです。
日本の皇統は二千五百年続いています。
日本は島国ゆえ独自の文化が育ち継続できたといわれますが、ガラパゴス諸島と違い、動植物の進化の問題ではなく、人間の文化の継続、継承からいえば、島国であるからという説明は成り立ちません。イギリス、ハワイも島国です。
なぜ日本では異民族支配の歴史がなかったのでしょうか。
渡来人との混血は当然のことですが、言ってしまえば日本人は外敵からの侵略を防ぎ、縄文時代から継承されてきた文化を享受、継承発展させてきた民族だったということです。
弥生時代、鎌倉、江戸末~明治、昭和時代に危機が訪れました。
弥生時代(紀元前1世紀)、異民族の侵略から日本列島を守ったのは天照大神・ニニギ尊・ウガヤ尊・神武天皇の皇統でした。戦わなかったら日本は大陸や朝鮮の一部になっていたはずです。現在も天皇が人々から敬愛され続けている原点はここにあります。
鎌倉時代の元寇。北条執権の断固たる防衛力が元の侵略を阻止しました。
江戸末の黒船来襲。明治維新の混乱に乗じた諸外国の侵略。そして太平洋戦争の敗戦による国土分断の危機。現代の尖閣や小笠原諸島の侵入も同じことです。
また現在のグローバリズム。世界共通とは聞こえは良いですが、根は利権を握る一部の人たちのための利益獲思想といえます。原理原則は誰が儲けるのか、ということを考えればすぐに分かります。TPPもアメリカのユダヤ系資本は損のないところに位置しています。
戦後70年を経て、そろそろ私たちは日本の真のすがた・かたちを観る時が来ているようです。先の戦争に負けたため、戦犯を生み、捏造情報により肩身の狭い思いをしてきたことを見直し、古代から近代に至る歴史観を質し、歴史認識などといわれることのない歴史を正視することです。
私は数年前から、日本の精神史に向き合っています。次代に先祖のエネルギーを伝えたいがためと、我が国の基層を成す文化は「木」によりもたらされていることを知りたかったからです。
縄文期から使われている漆(ジャパン)や二千五百年続く皇統がそれを立証するはずです。
写真: 漆の林 TP:漆の紅葉
長岡市(旧三島郡和島村) 大武(だいぶ)遺跡出土 赤漆塗の装飾品
解説 装飾品がつくられた時期は、一緒に出土した縄文土器から、おおよそ縄文時代前期の初め頃のものであると推測できました。しかし、もう少し詳しい年代を調べるため、装飾品から6.3mgのサンプルを採取し、「放射性炭素年代測定法」により年代測定を行ないました。
その結果、漆製品の年代は今から約6,600年前にさかのぼることが明らかとなり、日本の初源期の漆工芸技術を知る上で大変貴重な資料であることがわかりました。(公益財団法人 新潟県埋蔵文化財調査事業団)