日本のすがた・かたち

2014年1月15日
宮中歌会始

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新年を迎え、今年も宮中で「歌会始(うたかいはじめ)」が行われ、古式に則って披露されました。


平成二十六年歌会始御製御歌 お題「静」
 

天皇陛下御製
慰霊碑の先に広がる水俣の海青くして静かなりけり
 

皇后陛下御歌
み遷りの近き宮居に仕ふると瞳静かに娘は言ひて発つ

 

天皇陛下は、昨年十月の全国豊かな海づくり大会御臨席のための熊本県行幸啓の際、海上歓迎行事御臨席及び御放流等のため水俣市を初めて御訪問になりました。水俣市では、御到着後すぐに、水俣病慰霊の碑に御供花されたが、その折、慰霊碑の先に広がる水俣の海を御覧になり、お詠みになった御製。

皇后陛下は黒田清子さんとのご様子を詠まれました。
黒田清子さんは、神宮式年遷宮にあたり、臨時神宮祭主として、一昨年の拝命以来度々に神宮の諸祭事に御奉仕されました。この御歌は、御遷宮の間近い昨年九月、黒田さんが、伊勢への御参向を前に、天皇皇后両陛下に御挨拶に訪れられた際のご様子をお詠みになったもの。

歌会始は、和歌を披露しあう「歌会」で、その年の始めに行うものですが、現在では、年頭に行われる宮中での「歌会始の儀」が特に有名です。
 

歌御会始の起源は、必ずしも明らかではありませんが、鎌倉時代中期,亀山天皇の文永4年(1267年)1月15日に宮中で歌御会が行われており、『外記日記』はこれを「内裏御会始」と明記されているとのことです。以後,年の始めの歌御会として位置づけられた歌会の記録が断続的に見受けられることから、歌御会始の起源は、遅くともこの時代、鎌倉時代中期まで遡るようです。

今日はTVで歌会始めの様子を見ていました。
読み上げる声は、縄文時代からの日本人の発声法ともいわれています。

選ばれた三一文字の短文詩にこみ上げてくるものもあり、この奥床しさこそ、「和の心」だと改めて思いました。

この正月、私は先人が積み重ねてきた生活習慣を、もう一度足もとから見直してみようと思い、歌会始も今年は例年にない気持ちで中継を観ました。
「日本人の保持している知の奥深さ…」、これを感じました。自分は日本人で良かったとも。

 

昨年11月、全国育樹祭の砌、皇太子殿下と親しくお話ししたことを思い出しながら、皇室に崇敬の念を持ちつつ暮らしていた両親を偲び元旦に詠みし句。

   “正月や 父母ありて今 我のあり„

 

(写真 宮中「歌会始」風景)

 

 


2014年1月15日