日本のすがた・かたち

2022年3月1日
彩鳳舞丹霄

 

 

箱根に登る途中、車を止め、駿河湾に落ちる夕陽を見ていました。
身の引き締まる冷気の中に在って、何故か心は熱く燃えている・・・。

眺めやること数分、西方浄土を彷彿とさせる光景が激変し、突如、大空を舞う巨大な鳳凰が出現。
まさに「彩鳳舞丹霄」(さいほうたんしょうにまう)。
吉瑞の兆に他ならないと思いました。

 

大自然の中に身を措くと日常の些末な出来事は失せ、この身は大気に溶け込み、我という存在は雲散霧消していきます。
時間と空間の四次元にエネルギーと志向の六次元を実感できる、贅沢な時間でした。

 

目的だった来客用の茶花を採り、高揚した心と共に山を下りました。
下りながら自然に身を置くことは、今を生きる自分を実感することだ、と今更のように思いました。
またこの時、決めかねていた建築のデザインが何事もなく整っていることに気付きました。

だがしかし、この西方のまたその向こうのウクライナでは地獄の様相に・・・。
何もできない私は、せめて眼の前の務めを果たすだけだ、との思いに至りました。

 

写真:箱根中腹から駿河の海を望む

 

 


2022年3月1日