日本のすがた・かたち
このところの寒さもあり、中々仕事場から抜け出せず、運動不足が続いていました。
今朝は思い切って散歩のBコースへ。近くの公園の先にある滝を観るコースです。
富士の峰は例年になく雪がなく、一か月ほど雨は降らず、さぞかし滝の水は細っているのでは、と思いながら人影のない道を進むと、地響きが…。
虹を従え激しく踊り狂わんばかりの「鮎止めの滝」が出現しました。
轟音の中、暫し佇み、飛沫を浴びていました。まるで別天地の様相でした。
帰り道、(やはり、人間が感動するのは人工のものではなく自然の景観だなぁ…)。そう思いながら今取り組んでいる設計に思いを馳せました。
(建築が人間に感動をもたらすもの、これを設計するのが己の務めではないのか…。人の手でできることを目指すことは僅かだが…)
轟音を残しながら、ものの30分の散歩でした。
今年から後期高齢者の仲間入りとなりました。
そうなるまで高齢者という自覚はなく、何となく身体の動きの悪さ故に、歳を重ねた自分を感じていたものですが、やはり75歳は75の体力と気力であると再認識しています。未だ還暦前の自分だったものが、年が明けたら一気に晩年の自分にワープしたような、そんな気分の中にいます。
その気分の中ですが、この半年来の設計三昧の日々は思いのほか充実していて、若い頃は他からやらされることが多く、歯ぎしりをしながら日々を送っていたものですが、この歳になるとやりたいことができるようになっていることに気づきます。
人に会うことも自分を基準にできるので、ストレスが少なく気持ちが和むことになります。
今まで過ごして来た人生は、左官工事でいえば下塗りと中塗りの時期、ここに来て仕上げの時期到来ということのようです。まさに好機到来!
私は今、好機高齢者だと思うに至っています。
そして彼の世、此の世ではなく「今ココ」を生きて行こうと…。
「いのちを実感」しながらです。
写真:「鮎止めの滝」
(散歩中、この滝を巡って起きる男女の人生模様を描いた、小説『キララの橋を渡って』(未完)が眠っていることを思い出しました。またの機会に。)