日本のすがた・かたち
子孫(うみのこ)に伝えたまわる和ごころを また伝えてと文を託さむ
幕間(まくあい)
館内に熱海芸妓衆がうち揃い、音と共に客一同にご挨拶の迎付(むかいつけ)がすむと、
舞台前列に招待された200名の子どもたちに、絵本がプレゼントされた。
絵本は「ソーじいじのわっしょい」。絵本画家の酒井理恵子さんのデビュー作。
エコバックに入った絵本を芸妓さんたちから手渡された子どもたちの顔がほころぶ。
言霊(あおいりさ)が現われ詩「大いなるもの」を朗読する。
その声は能楽堂に清らに漂うがごとく響く。
詩は「和の心にて候」の核となるものを詠んだもので、絵本のテーマと同じ、ものごとに和することへのメッセージ。
後座(ござ)
地方の音曲が始まると歌舞の精たちが入ってくる。
熱海芸妓(立方)ほたる、美保、京馬、ちづ穂
芸妓たちは、当地のいわれの曲で客をもてなす。
演目 当地の「熱海名所」静岡の「ちゃっきり節」
芸妓の艶やかさに子どもたちは目を見張る。
「ちゃっきり節」ではケロヨンの前かけが笑いをさそう。
熱海芸妓(地方) 伊路加、一馬、露子、旬子 (陰囃子)伊豆乃、小いち
これより松千代と紗都美が「山中しぐれ」を舞う。
歌舞音曲の結晶しているすがた・かたちが現われる。
(「能楽堂ライブメモ」より)
(2009・11・29 MOA美術館能楽堂 slapshot:星野英介)