日本のすがた・かたち
以前インドやタイ、ネパール、ブータンを訪ねたことがあります。
中国や韓国にも渡りました。歴史的建造物の見聞が主な目的でしたが、やはりその国の文化に惹かれ多くの文物に触れてきました。
何時も帰りの飛行機の中で思うことは、日本の素晴らしさでした。
我が国は、渡航したどの国よりも安全で、美味しい食事が摂れ、働く機会も沢山あります。
物乞いもなく、挑戦する気さえあれば国や金融機関が資金を用意し、提供してくれる人もいます。
私は29歳の時、建築家として独立しましたが、無償で資金援助をして下さった方たちがいました。そのお蔭で今日があるのですが、その根底にある精神は戦後の高度成長期にあって、後の世代を育てる思いだったに違いありません。国民が皆で励まし合って生きていたことを感じます。
現在でも日本中で挑戦する志を持っている人は、世界最強といわれるほど多いと思います。
政治は現代社会の問題点を洗い出し、未来に向けて国の意思を調整する役割を担います。
野党は問題点を追求し、改善を促すものですが、昨今の野党は政権与党の失点を狙うことのみの感があり、聞くに堪えない演説の羅列に終わっています。政治家は内政ばかりか、外交戦略を構築し、実行できる人物を上とします。
我が国で、一次政権を担った民主党が崩壊したのも、財政金融や外交政策に疎かったためといわれます。私の住いする選挙区で、当時、政界のプリンスといわれた政治家は、宿敵の自民党に入り、凋落の一途です。
現在、我が国の未来を悲観し、否定的に語る人が少なくありません。
聞いてみると、今より良い生活をしたいのに、できないのは政治が悪い。お金が貯まらない。
自衛の武器調達よりも年金や子育て支援に税金を使え。もっともっと、と。
日本はGDPの世界ランキングで第3位の大国で、此れは戦後に国造りを目指した人たちの恩恵の上に成り立っています。現在、韓国が反日政策をもって攻め立てていますが、丁寧な無視をもって対応が良策だと思います。日本の土台はそう簡単に崩れることはなく、却ってこのような事態になって、如何に日本がモノづくり強国であることがはっきりしたはずです。
俯き加減の日本をいう人たちがいますが、脚下照顧、よく足元を見れば脚は地球に立ち、そこから広がる大地や海は無限にあり、宇宙の果てまで…。
考えてみれば日本人の優れた特質は、地球上のどこの国よりも穏やかで、諍いの少ないことが挙げられます。地政学的にもそれはいえそうです。
「知足者常富」(足るを知るものは常に富む)。
先人の戒語です。
私も先人のように、次代のため少しでもお役にたてるよう、暮らして行きたいと思っています。
写真:設計室のマスコット「山の形顔大型土偶」縄文後期(千葉県佐倉市出土)