日本のすがた・かたち

2019年4月11日
いずれ「日本原人」も

4月11日のニュースによると、「アジアで第5の原人 6万年前、比ルソン島に」の見出しで、以下の記事が掲載されている。

― フィリピン・ルソン島の洞窟で見つかった歯などの化石が新種の原人と分かったとフランス国立自然史博物館などのチームが10日付の英科学誌ネイチャーに発表した。現生人類のホモ・サピエンス(新人)が到達する前にいたと考えられ、アジアでは北京原人などに続き5種類目となる。化石は5万年前から6万7千年前のものと推定。アジアではこれまでに北京原人のほか、ジャワ原人、インドネシアのフロレス原人、台湾沖で化石が見つかった「澎湖人」が知られている。
初期人類に詳しい国立科学博物館の海部陽介人類史研究グループ長は「現生人類のように進歩的な面と、チンパンジーなどにみられる原始的な面が混じっている。ルソン原人と呼んでいいと思う。アジアに多様な人類がいたことが示された」と話している。(産経ニュース 2019.4.11 07:07ライフ 科学)―

 

15年ほど前から、私は、400万年前にアフリカから発生した新人類(ホモ・サピエンス)が世界に広がった、という説に疑問を持ち、現在に至っています。
今では、「世界各地に人類は発生していた」というのが最も信じられる説で、気象学、遺伝学、血液学、言語学、考古学などから、最古の日本人は20万年前から日本列島に住んでいたとされます。

その中で、興味をひくのが石器で、日本産の黒曜石が後期旧石器時代から新石器時代にかけて、日本海を渡り、ロシアのマラヤガバニ遺跡まで約1000キロ運ばれていた事実が判明しています。その他にも大陸に渡った黒曜石は各地に遺り、日本人が海外に進出してことが立証されています。
また、風俗、血液型、白血病抗原体などからも日本人が大陸に渡っていたことが判り、既に北京原人や今回発見されたルソン原人などが生きた時代に、既に日本原人が活躍していたことに違いありません。
いずれ火山活動や酸性の土壌により、骨などの化石が出土しない列島の風土からも、確たる証拠が見つかるのではないかと思っています。

 

縄文時代から始まった太古の日本人への興味は、私を飽かすことなく、世界各地で出土報道がある度にワクワクしています。
未だに日本に原ニホンザルが生息することもあり、日本原人(飛騨原人)が日本列島にいたとの情報を、今かと待っているところです。いずれ原日本人も発見されることでしょう。

 

天皇即位の大嘗祭は、縄文時代の生活を遺しているといわれます。
その祖先は旧石器時代からの風習を営々と今日に伝えています。
令和の世、私たちは歴史を繋いで生きています。

https://www.sankei.com/life/news/190411/lif1904110007-n1.html

 

写真:原人の暮らし、火を道具として使い始めた。
(模型、愛知県犬山市・リトルワールド)

 

 


2019年4月11日