日本のすがた・かたち

2017年6月26日
四つの窓・六次元

私が敬愛している方の中に、飛騨の口碑を伝えた山本健造氏がいます。
氏は著書『神秘の六次元世界』(福来出版1995年刊)で次のように記しています。(以下要約)

―古代インドの聖典「リグ・ベーダ」に宇宙開闢を説いたところに、「悟りの開けていない人には宇宙の4分の1しか認識されないが、4分の3は悟りの世界に隠されている。即ち、悟ったひとは宇宙の全体を認識できる。」と書いてある。
そして、これらを詳しく説明すると、人間は宇宙の根源を観察すると、四つの立場に分かれて論戦する宿命をもつ。

1. 宇宙は物質の集合体であると考える唯物論
2. 宇宙は神か、宇宙意識によって創造された唯心論
3. 宇宙は空間の拡がりがあり、その拡がりの中にヒズミを直すためにエネルギーが起こり、物質が生ずると考える唯空間論
4. 宇宙の生命の流れは時間であると考えて、宇宙の生成の根元は時間であるとする唯時間論

この四つの立場は、どれも確からしさは平等です。
ところが、唯物論に落ち込んだ人には、他の三つの立場は間違いに見えます。
唯心論の人には、唯物、唯空間、唯時間の三立場は絶対に間違いに見えます。
唯空間に立つ人も、唯時間に立つ人も、全く自分の立場だけが正しく見えて、他の立場が誤りに見えて参ります。
しかし、この四立場は次の悟りに達するための予備段階に過ぎません。
四つの立場の各々が真理の一部であり、四立場が統合され、止揚されたところに真理があることを悟るべきです。―

氏は禅の悟りには物心一如、二而不二、一即多、等の悟りがあり、素晴らしいものがあり、哲学的思考方法を学ばないで、あのような高い悟りに達した禅の高僧たちに心から敬意を表すと述べています。

そして氏は六次元について、三次元の空間に時間を乗じて四次元。勢力を加え五次元。それに志向を加えて六次元でこの宇宙は成り立つと。
人には空間・時間・力・志向の四つの型があって、それぞれが人生とは競争(美の追求=空間)・成長(真理の探求=時間)・成功(勤労努力=力)・貢献(善行=志向)だと考えているとしています。

悟りはないことを悟った私は「真、善、美、勤」の六次元の消息を伝えた山本健造氏に心からの敬意を表しています。

己の考えの窓は四つの内のひとつではないか、と自戒する昨今ですが、お蔭様で張り合いよく、調子が上がっています。

 

写真:アボリジニの聖なるチュリンガ(宇宙観の図化・六次元)自画
下 偉人・山本健造氏

 


2017年6月26日