Sのプロジェクト
「茶の湯のステージ造営プロジェクト」-1
計画の基本
「日本人の優れた記憶」を次の世代に伝えること
優れた記憶とは、先人が営々と積み重ね今日まで伝えてきた「物」と「事」とする。
物は「木造建造物」、事は「茶の湯」とし、計画の基本テーマと位置付ける。
茶の湯のステージは、物と事が優れたすがた・かたちとして実現できる計画とする。
設計は次世代に先人の叡智を伝え、文化施設として地域振興に寄与できるように。
現在、Sのプロジェクトの計画は、以上のことを基本テーマとして進めています。
2012年12月に基本計画はできましたが、構想は10年前に遡ります。この10年は「日本人の優れた記憶」を確認する作業に始終しました。
結果として「茶の湯のステージ」造営計画と、来月予定している『伊勢神宮』の出版というかたちになりました。
建築家を志して40年。これまで大勢の方たちに邂逅し、「日本人の優れた記憶」を伝えられてきました。そこに自分の考えや研究したもの、実践で得たものを加え、一滴も残さず若者たちにそれを注ぎ、伝えたいと決めました。
今年の元旦、初日の出に「物と事」の実現を祈り、6月1日に同志と共に「樵隠会」を立ち上げました。
以来、土地の調査や資金調達ともに設計を進めているところです。思いがけない協力者や賛同者があらわれていることも大きな力となっています。
これから約一年で設計が完了するように、現在5人のスタッフと鋭意取り組んでいます。
今月から計画や設計の基本的な考え方を中心に書いていこうと思っています。広報の石川さんも広報方針を立て、自らが発信基地となる準備を進めています。30歳の若人はなかなかです。ご期待下さい。(太田 記)
(「茶の湯のステージ」照明計画図 「日本のあかり」シリーズ-1 plan 田附冬樹)