新之介文庫だより

2019年8月6日
近詠・句歌都々逸46

 

寂しさも 面白ろきかな 赤トンボ

 

知己や往く 浄土に開け 蓮の華

 

妄想や 華の色香に チャネリング

 

夢に見る 冥土の旅の 星明り

 

歳や寄る 諸共せずに 蝉合唱

 

父母に 合掌今朝の 盆の経

 

縁ある 人や遥かに 盂蘭盆会

 

 

梅干を 仕舞い一年 安らかに

 

A I は 命を奪う 使徒と化す

 

君知るや 地獄極楽 今ココに

 

鳥と蝉 梢に憩う 酷暑かな

 

昨日悔い 明日は望みと 儚くも

 

道行けど 幽かに見える 夏も了

 

何時からか 彼岸の季節 在るや夢に

 

夏終わる 急げ刻々 酔芙蓉

 

立秋や 降る雪の中 偲びけり

 

鈴虫の 鳴き声密か 蚊遣りかな

 

蚊帳吊らぬ 何時かの夏や 夜の匂い

 

明日にも 了る命の 蝉の声

 

来てみれば 墳墓の草も 茂る秋

 

 

 


2019年8月6日