新之介文庫だより

2019年8月2日
近詠・句歌都々逸45

 

紅蓮や 朝陽に匂う 露ひとつ

 

蝉声や 嵐の前の 華開く

 

今日からは また今日からと 雨の中

 

感慨を メモして歩く スマホ路

 

未明から シャアシャアシャアの 大合唱

 

我が友は スケッチブック 五十年

 

路行けば 一緒と群れる 赤トンボ

 

梅干を つくれぬ朝の 低い雲

 

嵐来よ 設計に来よ 待つ一過

 

君知るや 台(うてな)に在わす 金仏

 

大金を 運ぶ紫雲の 仏たち

 

病名は 習慣性設計依存症

 

我が庵は 三島田の町 滝の側 富士の根雪の 裳裾辺りに

 

我が庵は 滝の音響き清水湧く 富士の高嶺を 軒端にぞ見る

 

楽しみは 一行掛けて 茶を点てて 古人と 共に喫む時

 

ふるさとや 折々の夢 夏の海

 

さあ今日も また蝉時雨 茹だる朝

 

仏陀にも かかる縁の 夏木立

 

盂蘭盆会 我在る今を 礼拝す

 

 


2019年8月2日