新之介文庫だより

2018年9月15日
近詠・句歌都々逸27

 

前庭に 酔芙蓉や 咲きにけり

 

遅咲きの 酔芙蓉を 観るや月

 

被災者を 偲ぶか今朝の 曼珠沙華

 

水に添い 水に暮らせと ヒツジ雲

 

先人の 知恵なる暮らし 夏や冬

 

紅葉葉に 装う主は 空に充つ

 

箱根なる 苔むす庭に 秋の風

 

チリーン 風鈴ひとつ 別れかな

 

遠のいて 我が故郷は 霞けり 波間に浮かぶ 顔も幽かと

 

思い出は 故郷の海 磯の香の 波に遊んだ 友たちの声

 

にまとう 知識経験 その智慧も 心なければ 失せる美と知る

 

今ここと 定め行かまし 三十年 更に行かまし 果てもなき道

 

未知なりや 空想の中 行く道は 何時か飛翔す 九天の外

 

湾隔て 靄に幽かな 故郷は 薄れる人の 情けとも似て

 

夏雲の 塊りは我の 志 力与えよ 神よ仏よ

 

上野なる 池を巡りて 夏の夜に 情けを交わす 人もあるかな

 

縄文を 刻む営み 清しけれ 森に海にと 生きた先き人

 

炎暑なり 燃える情にも 似て激し いつか絶えなむ 定め想わす

 

〽 「小柄でネ…」浴衣姿が好みだけれど それに笑顔じゃ 目がタレル

 

〽 聞いてちょうだいアタシの好み ジャズとシャンソン 主の情

 

 

 


2018年9月15日