新之介文庫だより
2017年11月14日
近詠・句歌都々逸Ⅹ
エアコン暖房 色気がないに 触れるコタツにゃ 恋がある
窓にチラチラ 小雪が映る 主の背中で 見たは夢
紅い襦袢に 指先隠し 倫に外れた 恋をする
恋という名の 情けをかけて 愛という名に 縛られる
次々と 宇宙の謎は 深まりて 命の果ては カオスなるかな
今更に わからぬままの 宇宙(そら)のこと 明日もわからぬ 今という日も
主と会うたが この世の定め 来(こい)という字の 道しるべ
懸命に 生きた証か 彼の別れ
天の原 かかる命に 星ひとつ
わだかまり 過ぎた日々にも 咲く椿
海原に 走るは月華 夢の道
支え合う 姿か老いの ハモリ唄
年寄りを 嗤う己に 嘲笑す
粋と色気で 勝負ができた 今じゃお金が 頼る道
会えるなら 逢いたきものと 十三夜
芋月夜 朧朧と眺めやる 彼のひとと見る こともなしかと
月観ては 後の世人に 独り言
仰天は 自然の貌や 時の色
人は皆 同じ生あり 死ぬ産まれ
死ぬことで 生きるを学ぶ 人の生
2017年11月14日