新之介文庫だより
新之介文庫の佐々木です。
東日本大震災が発災してから半年後、改修工事も着々と進み、水晶殿の改修工事の足跡の一つとして、2011年9月、ホームページ「水晶殿現場だより」を公開しました。
次の世代に工事の記録を含め、様々の角度から伝えたいという趣旨で、施主側の担当者チーム、設計監理事務所、施工会社の三者で編集委員会を構成し、Webを通じた広報を始めました。
一昔前なら壁新聞と言うところですが、現代では電子版という表現になりましょうか。
各社の視点から、物作りに焦点を合わせ進行中の様子など、多種多様に取り上げていく手法は、他の建設工事では見られない初めての試みだと思います。
主筆兼編集長は、新之介さん。巻頭を自ら担当しつつじ山を中心とした記述をアップしました。
そのあと各社の担当が、この建物への思い入れを発表して行きましたが、なかでも担当者チームメンバーの及川博文さんの現場ルポの記述は、建物に優しく寄り添うような着眼力と表現が秀逸。大切に思う気持ちが、そこにはぎゅっと詰まっている・・・。これからも継承してもらいたいものの一つだと感じました。
「水晶殿だより」は工事完成まで続き、施主、設計者、施工者の心を繋ぎました。このようにして建物を作って行く意味を求めて行くことを造営主はどのようにご覧になっていたでしょうか。
当時、新之介さんが詠んだ歌
つつじ山 昔のすがた今に変え 天地の間に色とりどりの花
つつじ山 松の翠に映えてこそ 海の広さを 思い知るかな
つつじ山 遠く霞める利島にも 届けよ花の 色の美ましを
(写真 上 相模の海 下 つつじ山 現場からの撮影)