新之介文庫だより
2013年7月9日
『水晶殿改修記』-28 仮設工事
新之介文庫の佐々木です。
建設工事を円滑に進めるためには、各種の工事に必要な「仮設工事」が工程の重要な位置を占めます。
たとえば足場の架け払い。
昭和29年の創建当時は、足場の材料は、木の丸太を組んだものを利用していたようですが、現在は鋼製のパイプを中心に転用の利く部材が使われています。
足場が必要となる個所にどう架けるか、そしていつどのように外すか。解体工事の際の進め方、土工事の時の考え方、躯体工事、仕上げ工事、設備工事との関連の配慮など、この計画と実行は、豊富な経験と迅速、柔軟な対応を要求され、まさに工事の中心のような役割を果たします。
したがって、全体の工程を左右することもよくあります。
各職の職人や作業員の作業性などに直接影響を与えるからです。しかしその甲斐あって、見事仕上がってみると、それはどこにも見えない・・・。地味ではあるが、この仕事は建物全体の品質の良さと、工事期間中の無事故、安全という結果で現れるのです。
伊東市石橋建設の海野達也さんは、仮設工事関係の総責任者でした。
竹中工務店の協力会社ながら、現場の士気を高める存在で、何があっても大丈夫というような仕事ぶりでした。
太田は常々「彼の存在は大きいな」と話していました。現場では海野さんの声がいつも鳴り響いていました。
いよいよ鉄骨の組み立てが始まります。
(写真 後に突貫工事となった際の足場工事 現場のムードメーカーの海野さん)
2013年7月9日