新之介文庫だより

2013年5月16日
『水晶殿改修記』-23 想定内

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新之介文庫の佐々木です。

水晶殿の構造体の経年劣化は想定されていた。

これは何回か聖地運営プロジェクトの会議の中で発言されていたこと。

建築家は、もしかすると基礎からやり直さなければならないとも発言していたはず。

しかし、聞いてない、とのことが……。

そして専門家として予想してなかったことを文章にして、と提出要請があった。

設計監理サイド、とくに太田は悩みました。

「何度でも話して納得してもらう他はない。予想していた発言をしていないとする文章は提出できない。」

施主さん側の要請でもあるが、これはのめないものでした。

 

そこに3月11日の大地震が……。

地震のためか、または何かの事情からか。

太田はスタッフに「心配するな。なるようになる。」とまた。

やがて発言記録なども聞かれ、何度か意を尽くした説明を経て、これは不問となったのでした。

 

そして4ヶ月の工事中断が始まった。

建築家は震災におけるコンクリート材料などの放射能汚染を注視していました。

「水晶殿を放射能汚染建築にするわけにはいかない。汚染情報を集めよう。」

工事中断中に施工者にも指示を与えた。

そして現場は休業状態となりました。

(写真  立ち入り禁止の見学者通路) 

 

 


2013年5月16日