新之介文庫だより
新之介文庫の佐々木です。
施工業者への見積り依頼には、この建物の特性から考えられた手法が採用されました。
「水晶殿は小さくて巨大な建築」。 これを、施工する立場から見て、どのようにすすめるか。決して簡単ではない・・・。
設計図から読み取ることはもちろん、現地の特性を把握し、この建物の存在意義、そして単なる建て替え工事ではない、建築家と業者との短期間でのやりとりで方向が決まります。
建築家が提案したのは、複数社による競争入札ではなく、見積り合わせでした。 それもあまり例のない、造営主の研究ヒアリング付きです。
「造営主の思想や建物に託された願いを理解して,改修に臨んでもらいたい。」これが提案の主旨でした。
推薦されたのは、建築工事の鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店の4社。設備(電気・衛生・空調ほか)工事の太洋テクニカ、日管、菱和の3社。
2010年9月10日に 旧水晶殿円形ホールで見積依頼の現場説明が行われました。
各社は猛勉強したと思います。なにしろ各社の見識が問われることになるからです。
一般的な施工方法やデザイン的提案のコンペとは異なるものでした。
「造営主の研究が始まったよ…」 設計スタッフに太田が話していました。
9月27日、聖地運営プロジェクトチーム、担当者チーム、設計事務所が揃う中、各社の説明と、見積書の提出が行われました。
施主側から長澤好之役員のご挨拶があり、 清水建設から始まりました。 私はこれで、各社が仕事に臨む姿勢に違いがあ ことを知りました。
このヒアリングや各社の提案を吟味、最終決定に至ることになりますが、決定までには幾つかの難題が…。
続きは次号で。
(写真 改修を待つ水晶殿)