新之介文庫だより
2013年2月4日
『水晶殿改修記』-14 担当者チーム
新之介文庫の佐々木です。
次世代に伝達する・・・このことは当たり前のように言われております。しかしその当たり前のことに苦闘しているのが、昨今の実情ではないでしょうか。
水晶殿の設計監理にも、この伝達の方法が採用され、施主側に立つ8人により、チームが出来ました。
黒田六男、石原正也、井上稔章、奥山修康、及川博文、小川真一、安野哲司、市村英明さんたちです(順不同)。
目指すところは、建築家の手法を身近に、造営主の考えを正に外部から俯瞰してみると、どうなるか、というところです。
ここが、第一級の建物として熱海の景観をバックに、このチーム8人が50年先を見据え、ここを訪れる人々に語り部となれば、継承はうまくいく・・・。建築家はそのように考えて、一緒に活動を始めた。
結果は分かりませんが、成果は確実に上がっています。チームのかたたちが、訪れるひとたちに水晶殿を紹介し、造営主の思想を伝えている。
建物は維持管理ばかりではなく、よってたつ思想や想いを伝えて永らえるのです。
いつかの時代に同じような担当者チームができることを祈っています。
(写真 旧水晶殿内で担当者チーム打合わせ 2010年)
2013年2月4日