新之介文庫だより
2011年12月11日
『水晶殿』-27 陽気が充ちる
新之介文庫の佐々木です。
水晶殿の太陽を現わすという半円形ホールの真赤な絨毯の中央に坐る。
著者はその日、朝の陽光を浴びていた。
熱海市内を上空から見ると、全域がほぼ東南の海に面した半楕円地形で、
南を眺望できる場所が少なく、あってもそれは、ほんの一部である。
そして高さも関係する。
高台に上がっても、真鶴岬、三浦半島、房総半島、
南に白波の寄せる初島、熱海市街のその向こうには網代港などの伊豆半島東岸、
遠くの利島ほか、伊豆七島が眺望できる「ピンポイント」はここにしかない。
ホールの中央に坐ると、周囲のつつじ山は見えず、敷地周辺も視野に入らない。
まるで宙に浮いているようだ。
ここは『天地開闢(てんちかいびゃく)』以来この地が定まっていた』のである。
この時座して感じたエネルギーは、何かと何を結ぶ力で生命を浄める波動ではないか、と。
著者はこの体験を通し、建築は波動発源体そのものであることを発見する。
水晶殿は美しい波動体だったのだ、と。
(写真 2011・12・11 皆既日食)
2011年12月11日