丹波沓茶碗 銘「吾ノ沓」(あのくつ)
形は私が理想とする沓だった。
織部の活躍した江戸初期の抹茶は拝み喫みだった。なぜ沓形が多く作られたかというと、用の美に適っていたことが主因だった。 私の拝み喫みはこの形状を良とした。 当時は茶溜まりというものがなかったとのことで、見込み底は平らに削った。 桃山から江戸にかけて創作された沓茶碗に自分を重ね、「吾ノ沓」とした。 溶けた自然釉が美しく輝いている。 重厚な一碗といえる。
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