イベント情報

2021年1月3日
伊賀 銘「滴翆」

先月から巣籠り生活に突入しています。
やりたいことが山ほどありますが、仕事が最優先で、この正月は恒例の陶芸家・佐々木泰男さんの窯に行かず、今回は作品もつくることが出来ませんでした。

 

さて、年始に使う抹茶茶碗はどれにしようか…。

茶道具を整理していたら出てきたのが前に探していた一碗。
20年ほど前に、伊賀登龍尾の浅尾憲平氏の窯に入れて頂き焼いた伊賀茶碗、銘「滴翆(天幾春以・てきすい)」。

 

何か昔の彼女と逢えたような気がして、思わず一服。初使いでした。
巣籠り生活も捨てたものではないと思いました。

 

窯から出てきた時、茶碗の見込み底に溜まったビードロは美しく、まるで滴たる翠でした。即座に、当時ご厚誼頂いていた岐阜瑞龍寺僧堂の清田保南老師の軒号「滴翆軒」を想起し、銘としました。

伊賀焼は品よく、力強く、特に美しいビードロ(グリーン)が出たものは少なく、自作物の中でも気に入っていたものでした。
ところが長く行方不明となっていました。

忙中に翠滴る自作茶碗で、抹茶一服は至福の時でした。
「習慣性自閉適応障害症候群」気味の私には思いがけない贈り物となりました。

 

      コロナ禍や 年始巣籠り 全集中

 

 

 


2021年1月3日