毎年咲いていた蓮が何を思ったのかこの二年間咲きませんでした。

今年咲かなかったら、蓮を止めてしまおうかと思っていました。

今年も彼岸過ぎに陶友の市川君が植え替えにきてくれました。

「今年ダメなら来年から植え替えに来てくれなくても…」

「そうですか、２０年も咲いていたのに寂しいですね」

芽が出て、すくすくと伸びた蕾。

（三年目にまた逢えるか…）

四日前の突風で少し曲がった軸。

（今年もダメかな…）

そして昨日の朝、あの咲かなかった蓮が開きました。

見事な紅の色をしてあの神秘的なハチスを見せて。

ものごとは時と場を得なければ成就しない。

また逢えた嬉しさは瑞兆かもしれない、と思えた今朝でした。

今年の蓮ほど愛おしいと思えたことはありませんでした。

      紅蓮咲く 今朝は妖しき 空の蒼

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