イベント情報
半年先の来年の2月に、「茶飯釜の茶事」を催す予定を立てました。
茶飯釜は厳冬に行われることが多く、茶席でご飯を炊いてお客さまに食して頂くことがメインの茶事です。
その日は給仕役に徹することになりますが、日頃ご飯や味噌汁などを給仕することのない私にとっては、とても新鮮な一日となります。
夜に行う「夜咄(よばなし)の茶事」と共に風情のあるもので、好きな茶事のひとつです。
これからの半年間で、茶入や茶杓、茶碗や香合、そして火起こし用の火吹き竹など、当日に使う茶道具を作ることになります。
お出かけ下さるお客さまの顔を思い浮かべながらの茶事の準備は、まさに至福の時で、何事もその日その時に向かってゆくプロセスが自身を堪能させるものです。
そして、4時間で仕舞う。
半年の準備もあっという間の出来事となりますが、このタイムスケールは言い換えると、人生の縮図のようにも思います。
出合い、そして別れ…。人生の実相です。
茶事を始めて30年余になりますが、どうもこれだけは止められそうにありません。
湯を入れた釜に洗米を入れ、火吹き竹で炉中の炭火を起こし、炊き上がりを待つひと時に主と客の清談があります。
互いの人生の来し方がその問答の中に展開されてゆく…。まさに茶福の極みです。
それは良いとしても、果たして亭主をする私の足腰がもつのか?
最大の難問は、長く正座ができなくなってきていることです。
今、設計に及んでいる茶室は、椅子席で茶事を堪能できる新様式のものです。
足腰の変化は、新たな構想を生み出す源泉ともいえます。
毎日スクワットで鍛えてその日を迎えようと思っています。
写真 「茶飯釜の茶事」風景
トップページ 自作・香合「伊賀・砂金袋」(皆様に財宝が集まってくるように、と。)