太田新之介作品集
2014年12月25日
作品-13 茶道具・茶杓
茶杓は一年を通して30本ほど削る。
もちろん茶事に使うために削るのであるが、時折、手遊びに作ることがある。
竹は何本か曲げてあるので、その気になりさえすれば直ぐ削れるようになっている。
今年は十数本の削り置きができていた。
これがその折々の茶杓たちである。
先日筒を用意して十本のものを入れた。今年も一緒に遊んでくれて有難う、という心持だった。
茶事・茶会にこの中から選んで使うこともあって、作り置きがあることは心強い。
また、いざという時に贈呈できる。
ホメられて伸びるタイプの私は、ホメられると直ぐに進呈する癖があり、贈られた方には少し迷惑なこともあると思うが、何年経ってもお礼をいわれるのは嬉しいものだ。
作りはともかく、竹は珍しい種類や由緒あるもの、また時代物を使っているので、その辺は自慢できると思っている。
茶杓は茶事の亭主をする私にとっては良き伴侶で、銘を付けて席中に登場する。
茶杓の銘は様々で、利休や遠州、有楽、光悦らにその極まったものがある。
今まで数百本作っているが、どうにも止まらない道楽になっている。
1000本ほど削ったらお披露目会でもやってみようかと思っている。
竹細工に長けた日本人の優れた記憶に触れる日々は面白く楽しい。
2014年12月25日