ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴

オークション出品 1/29~2/4

 

 

№ 1056タイ・カロン鉄絵霊鳥文皿15~16世紀

カロンは、タイ北部チェンマイ付近に位置した15世紀前後に開かれた窯で、ランナータイといわれるタイ北方王朝の北方諸窯では代表的な窯だった。タイ中央部のスコータイやシーサッチャナライのスコータイ王朝やアユタヤ王朝の窯とは異なり、製陶技術は精巧で鉄釉、鉄絵、青磁など高度な作品を遺している。特色は柔らかい雰囲気の器胎に独特の鉄絵文様を描き、透明釉を施したものが多い。

作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土品
怪鳥や霊鳥ともいわれるカロン独特の文様が内部に描かれ、外周もカロン独自の文様が描かれている。持つと驚くほど軽く、精緻な作りであることが判る。
鉄絵文様の発色は良く、土中の経年風化はあるが完品といってよい。
カロン陶の特色をいかんなく発揮している作品といえる。
洗浄済。
サイズ  径:23.6  高さ:4.8センチ

 

№ 1059タイ・カロン霊鳥文平碗15~16世紀

作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土品
平碗内部見込み底に、霊鳥といわれるカロン独特の鳥の文様が描かれ、外周もカロン様の唐草文が描かれている。極薄の作りで精巧な作陶はカロン独自のものといわれる。
鉄絵文様の発色は良い。土中の経年による貫入部にシミはあるが、カケなどはなく完品といえる。高貴な感じがするやきものである。
洗浄済。
サイズ  径:13.8  高さ:5.3センチ

 

 

 

№ 1060カンボジア・クメール黒褐釉碗11~12世紀

クメール陶は、9~13世紀に現在のカンボジアを中心として栄えたクメール族の王国で作られた陶器をいう。土器から始まり、9世紀後半から灰釉をかけた陶器が作られ、クレン・タイプと呼ばれる初期の胎土が灰色か灰白で、透明性の灰釉がかかるものは希少という。クメール陶を代表する黒褐釉は10世紀末から始まり、端正で格調高い姿は東南アジア屈指のものといわれている。
作品説明
時代11~12世紀
オムコイ出土品
クメール陶の特色を備える黒褐釉の碗で、姿は端正で精緻な作りである。
高台のない碁笥底という形で、立ち上がり部に段差のある稜線を作っている。
同じ形状の灰釉の碗があることから、10世紀後半半に作られた可能性もある。
見込みは深く、天目茶碗の品格に勝るとも劣らない古格をみせる。
経年風化と劣化があり、内部見込み底に出土時の土を剥ぐ際に付けた微細な掻き線があるが他に欠点はなく優品といえる。
茶人の好む濃茶碗として、茶事・茶会で活躍できる一碗といえる。
洗浄済。
サイズ  径:13.4  高さ:7.3センチ

 

C101タイ出土中国宋・磁州窯絵高麗平碗(カゲ)16~17世紀

長く朝鮮の絵高麗といわれていた茶碗である。
実際は中国宋~明にかけて磁州窯で焼造されたもので、絵高麗といわれたのは戦前の陶磁研究の草創期に磁州窯作品が朝鮮半島から沢山出土し、高麗時代の作と考えられたことからこの名がおこったという。
近年、タイ西北部より磁州窯の大きな瓶や壺類が発掘され、その中に梅鉢文の茶碗も多く出土した。ヒナタとカゲといわれる二種である。

作品解説
時代 16~17世紀
1999年 タイ・オムコイ出土品
褐色の胎土の上に白化粧土を掛け、外周立ち上がり三分の二に鉄絵具を帯状に廻し、梅鉢文を化粧土で描いた平茶碗で、カゲの絵高麗梅鉢文茶碗と称されたものである。
意匠は斬新で、白と濃紺のコントラストが目を惹く。
経年による風化があり、内側高麗に窯キズが何ケ所もあるが、古格の高い茶碗といえる。
使用に際しては洗浄を要す。
サイズ 径:15.1   高さ:6.6センチ

 

C103タイ出土中国明・古染付市松文茶碗17~18世紀

古染付は、中国の明朝末期に景徳鎮窯で焼かれた青花磁器。
古染付の呼称は、日本で近代になってからのもので、江戸時代には南京染付、南京赤絵といわれていた。古染付系のものは2種に大別されるとされる。その一つは碗、皿、鉢などの日常食器であり、造りは薄手で、見込にはいかにも飄逸、軽妙洒脱な絵模様が描かれているのが特色で、この文様に魅力を感じた江戸初期の茶人が、景徳鎮窯に水指、花入、向付、鉢、香合などを注文したのが、粗厚で風韻のある古染付で、いまひとつは明の天啓年間(1621~27)に焼造された優品とみられていた。
近年、タイ西北部より染付や赤絵が発掘され、その量と質により、また田杭窯の調査などにより、古染付系のものは景徳鎮や福建省漳州などから、主として東南アジアに輸出されたものがあり、日本へ将来された江戸期の古染付類とは別の「東南アジアに渡った・古染付」があることがわかってきた。
作品解説
時代 17~18世紀
タイ・オムコイ出土品
従来、元禄文と称されてきた市松文の筒茶碗で、大小あるが本作品は大きい部類に入る。
斬新な市松文は東京五輪のエンブレムにも採用されたが、古染付がいち早く採用していたようだ。
経年のため僅かな風化は見える。口辺に僅かなカケと高台内に出土時の土を除く際に付けた微細な擦り線があるが、肌も美しく優品といえる。
高台内には砂が混入し、砂の上に置いて焼成したことが解る。胎土、釉薬、作りなどから景徳鎮民窯作品と考えられる。寒い時期の茶事や茶会に活躍する話題性のある一碗といえる。
洗浄済。
サイズ  径:11.4    高さ:9.5センチ

 


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ギャラリー珎玄齋
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2018年1月29日