ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴

オークション出品 11/27~12/3

 

№1021カンボジア・クメール流黒褐釉鉢11~12世紀

クメール陶は、9~13世紀に現在のカンボジアを中心として栄えたクメール族の王国で作られた陶器をいう。土器から始まり、9世紀後半から灰釉をかけた陶器が作られ、クレン・タイプと呼ばれる初期の胎土が灰色か灰白で、透明性の灰釉がかかるものは希少という。クメール陶を代表する黒褐釉は10世紀末から始まり、端正で格調高い姿は東南アジア屈指のものといわれている。

作品説明
時代11~12世紀
1998年 タイ・オムコイ出土品
クメール陶の特色を備える黒褐釉の大碗で、釉の流れが不思議な文様となって見る者を惹きつける。姿は端正で精緻な作りである。
高台のない碁笥底という形で、立ち上がり部に段差のある稜線を作っている。
黒褐釉を口辺周りに溜めて下方に流れるようにし、焼成後に畳付きに回らないよう工夫してそれを意匠として表現するユニークさが際立っている。
同じ形状の灰釉の大碗があることから、10~11世紀前半に作られた可能性もある。
スレ、風化はあるが、キズ、欠けはなく完品といえる。
洗浄済。
サイズ  径:17.1  高さ:8.3センチ

 

№1023ミャンマー白釉緑彩魚藻文碗15~16世紀

作品説明
時代15~16世紀
1999年 タイ・オムコイ出土品
赤味の強い器体に緑彩で魚藻文を描き、厚く白釉を掛けた小碗である。
滲みの強い緑の線描きは神秘的な雰囲気を漂わせる。
永く土中にありそれなりの風化や劣化はあるが、白釉緑彩は淡い光沢を見せている。
この種の陶器は大壺、大皿から花入、茶碗、造形物まで種類は多種多様で、ミャンマー陶器の輝かしい歴史を物語るものとして注目を集めている。
経年による風化はあるが、全体に欠点はなく完品といえる。
類品を使用しているが、使う毎に光沢が増している。
使用に際しては土臭があると思われるので、再洗浄をお勧めする。

サイズ 径:11.1  高さ:7.0センチ

 

C69タイ出土 中国磁州窯・絵高麗梅鉢文茶碗16~17世紀

長く朝鮮の絵高麗といわれていた茶碗である。
実際は中国宋~明にかけて磁州窯で焼造されたもので、絵高麗といわれたのは戦前の陶磁研究の草創期に磁州窯作品が朝鮮半島から沢山出土し、高麗時代の作と考えられたことからこの名がおこったという。
近年、タイ西北部より磁州窯の大きな瓶や壺類が発掘され、その中に梅鉢文の茶碗も多く出土した。ヒナタとカゲといわれる二種である。
作品解説
時代 16~17世紀
1999年 タイ・オムコイ出土品
褐色の胎土の上に白化粧土を掛けその上に鉄絵の梅鉢文を描いた平茶碗で、ヒナタの絵高麗梅鉢文茶碗と称されたものである。
意匠は斬新で、黄味がかった地に6つの点描文が目を惹く。
経年による風化は僅かで、良品といえる。先年、景徳鎮調査の際、同じデザインの陶枕が出土しているが、胎土から磁州窯の作品と考えられる。
使用に際しては洗浄を要す。

サイズ  径:14.9   高さ:6.4センチ

 

C70タイ出土中国明・古染付菅笠文大碗17~18世紀

作品解説
時代 17~18世紀
1998年 タイ・オムコイ出土品
我が国に将来されているスゲ笠茶碗といわれるものと同種のものといえる。
斬新なデザインは古染付の代表的なもののひとつである。葡萄文などと同じく笠文も大中小のものがあり、これは大のものになる。
内部見込みに出土時の土を除く際に付けた微細な擦り線がある。経年のため僅かな風化はあるが、欠けもなく肌も美しく良品といえる。
高台内には砂が混入し、砂の上に置いて焼成したことが解る。
胎土、釉薬、作りなどから景徳鎮民窯作品と考えられる。
洗浄済。

サイズ   径:13.2    高さ:9.2センチ

 

 

 


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2017年11月27日