ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴
№-96タイ・サワンカローク青磁象人物像15~16世紀
サワンカローク(シーサッチャナライ)陶磁は、日本では戦国時代や江戸時代に輸入され、宋胡録(すんころく)と呼ばれ珍重されてきた。サワンカロークはシーサッチャナライと共にスコータイの北方にあり、特色は刻花文を施した青磁、鉄絵の他白濁釉や褐釉を施したものが代表的である。特に白濁釉や褐釉のものは建築彫塑や型物に利用され、他の施釉陶磁にはない独特の造形ジャンルを形成している。当時は景徳鎮と並ぶ陶磁器の主要産地で、交易品として日本、フイリピン、インドネ シア、アラビアなどに渡っている。
作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土
象に人物が乗る青磁の造形品で、人は合掌しているように見える。この種のものは何点か見ているが、この作品は小品ながら完成度が高い。
長い間土中にあったための風化は僅かで、きれいな青磁釉が光沢を放っている。
象の耳に穴があるが、焼成時の膨張により作品の破裂防止の穴と思われる。
象の動きのある鼻、人物の僅かに見せる表情など造形的にも優れた作品で、北部窯カロンの肖形物などと共に往時の陶工の制作センスの良さが偲ばれる。
完品で、希少な作品といってよい。
水洗浄済。
サイズ タテ:8.2 ヨコ:4.2 高さ:8.8センチ
№-97タイ・カロン鉄絵動物子牛15~16世紀
作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土品
犬のようにも見えるが角があることから子牛とした。
鉄絵動物の中で最も出土数が多いのが鶏で、牛や犬、豚、馬などの家畜や蛙、熊などもある。
ひとつとして同じ表情のものはなく、陶工たちの工芸的センスの良さが際立つ。
風化などの状態は出土時の土質によって違い、灰が固まった状態、砂質土から、赤味の強い土からの出土と三種に大別でき、作品は砂質土から出土した壺の中に入っていたため風化は少なく、また、明末から清初の作品と一緒に出土していることから、作られた期間は百年ほどとされるが、埋められたのは18世紀末ではないかと考えられている。
経年による風化はあるが、文様の発色も良く、良品といえる。
玩具ともいわれるカロンの動物造形物は、優れたデザインのものが多く生きていて今にも動き出しそうだ。
水洗浄済。
サイズ タテ:6.2 ヨコ:3.1 高さ:4.3センチ
C41タイ出土中国明・古染付群馬文碗17~18世紀
作品解説
時代 17~18世紀
タイ・オムコイ出土品
古染付の典型的な文様として多用されている馬文茶碗である。
古染付茶碗の中では高台に特色があるのが、詩箋文とこの茶碗で、高台が少しバチに開いたものだ。
群馬は稚拙味のある絵柄で微笑ましくもある。他にも馬文茶碗はあるが、この形でこの絵のものは希少といえる。
出土時は砂質土中にあった壺の中からのもので、洗浄すると経年のための風化は少なく、欠けもなく、肌も美しい。他の出土物からして18世紀末に埋められた可能性が高い。
高台内に「崇禎年製」の文字が見える。明末の景徳鎮民窯作品と考えられる。
この作品を茶会の茶碗として使用し、三百年の歴史を語れそうだ。
洗浄済。
サイズ 径:12.0 高さ:7.5センチ
C-43タイ出土 中国明・古染付鶏形変形皿17~18世紀
古染付は、中国の明朝末期に景徳鎮窯で焼かれた粗雑な青花磁器。古染付の呼称は、日本で近代になってからのもので、江戸時代には南京染付といわれていた。
古染付のものは2種に大別されるという。その一つは碗、皿、鉢などの日常食器であり、造りは薄手で、見込にはいかにも飄逸、軽妙洒脱な絵模様が描かれているのが特色で、この文様に魅力を感じた江戸初期の茶人が、景徳鎮窯に水指、花入、向付、鉢、香合などを注文し作られたのが、粗厚で風韻のある古染付で、いまひとつは明の天啓年間(1621~27)に焼造された優品とみられていた。
近年、タイ西北部より染付や赤絵が発掘され、その量と質により、また田杭窯の調査などにより、古染付系のものは景徳鎮や福建省漳州などから、主として東南アジアに輸出されたもので、日本へ将来された江戸期の古染付類とは別の「東南アジアに渡った古染付」があると考えられるようになった。
作品解説
時代 17~18世紀
タイ・メソート出土品
鶏の形をした古染付の変形皿である。
ユニークな形と独自のデザインは古染付変形皿の独壇場といえるものだ。
鶏はデフォルメされ、羽を青海波で表現するなど他には見られないものといえる。
高台内に出土時の土を除く際に付けた微細な擦り線があるが、欠けもなく肌も美しく完品といえる。
高台内には砂が混入し、砂の上に置いて焼成したことが解る。
胎土、釉薬、作りなどから景徳鎮窯作品と考えられる。
懐石料理を盛り付けてみたくなる器である。
洗浄済。
サイズ タテ:15.8 ヨコ:23.6 高さ:3.6センチ
C-45タイ出土中国明・古染付群鳥文八角合子17~18世紀
作品解説
時代17~18世紀
タイ・オムコイ出土品
古染付の八角合子で珍しい作品で、今まで見たことのないものである。
樹間に6匹の鳥が描かれ、外周には元青花に用いられた渦巻文が描かれている。
この合子と同じ意匠のものが幾つか出土しているので、数多く作られたと考えられる。
高台内に出土時の土を除く際に付いた微細な擦り線がある。
高台内には砂が混入し、当時の焼成法がうかがえる。
長く土中にあっても釉の風化はなく、呉須の色は美しく完品といえる。
景徳鎮窯の作品と考えられる。
洗浄済。
サイズ タテヨコ:9.4 高さ:6.3センチ
ただいまの出品につきましては
ヤフオク
ギャラリー珎玄齋
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/g_chingensai
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