ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴

オークション出品 9/18~9/24

№-71タイ・サワンカローク青磁双耳小壺15~16世紀

作品説明
時代15~16世紀
オンコイ出土品
出土した大壺の中に明代青花の茶碗と共に入っていた数点の小品の内の一点。
双耳の小壺の青磁であるが、小さいながら作りは精巧で大作の雰囲気を感じさせる。
当時の小品は、特権階級に愛玩されたものと思えるが、そのいずれもが造形的に優れ、今日では美術工芸品としての評価が高い。
永く土中にあったため風化があり、青磁釉がカセて淡く変化し、露胎部には汚れが残る。
フリは出ているが欠けなどはなく、完品といえる。
どのような時に使用したのか興味が湧く。

サイズ  径:6.3   高さ:6.4センチ

 

№-74カンボジア・クメール黒褐釉碗11~12世紀

作品説明
時代11~12世紀
オムコイ出土品
わずかな削り出しの高台を持つ筒形の碗で、黒褐釉が均一に品良くかかる。
僅かに胴が張り、品の良いすがたで、作りは精巧である。
同型の灰釉のものが出土しているので、12世紀前半のものと考えられる。
経年による風化はあるが、欠けなどはなく完品といえる。
茶道具の建水に使用すると話題になるのでは

サイズ 径:13.0~  高さ:9.3センチ

 

№-27ミャンマー・緑釉彫草花文碗15~16世紀

白釉緑彩陶は「緑のやきもの」と呼ばれ、近年タイ北西部オンコイやチェンラーイ近郊で多く出土した。産地はミャンマーかタイのペグー近郊とされたが、正確な制作窯と年代が解明されていないため幻の緑彩陶といわれている。
この陶器は、下絵付けではなく上に掛ける釉薬の中に浸み込ませて絵を描くとの説が有力だったが、出土した壺の一部に下絵が描かれていたことから下絵の上に錫を含む鉛釉を掛けていたことが判っている。錫を含む鉛釉はイスラム陶などに見られる。白地と緑のやきものは他に類がなく、雅拙味に富んだ文様とともに注目されている。
出土した中では単色の緑釉のものは少ないようだ。

作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土品
赤味の強い器体に草花文を彫り、緑釉を掛けた碗である。
永く土中にあったとは思えないほど緑釉は綺麗に残り、光沢を見せている。
緑釉で彫のあるものは少なく、他に10点ほど見ている。
キズや欠けはなく完品といえる。
類品を使用しているが、使う毎に光沢が増しているように思う。
薄茶の茶碗としておすすめできる。

サイズ 径:12.5  高さ:7.1センチ

 

C-16タイ出土 中国明・古染付琵琶形変形皿17~18世紀

古染付は、中国の明朝末期に景徳鎮窯で焼かれた粗雑な青花磁器。古染付の呼称は、日本で近代になってからのもので、江戸時代には南京染付といわれていた。
古染付のものは2種に大別されるという。その一つは碗、皿、鉢などの日常食器であり、造りは薄手で、見込にはいかにも飄逸、軽妙洒脱な絵模様が描かれているのが特色で、この文様に魅力を感じた江戸初期の茶人が、景徳鎮窯に水指、花入、向付、鉢、香合などを注文し作られたのが、粗厚で風韻のある古染付で、いまひとつは明の天啓年間(1621~27)に焼造された優品とみられていた。
近年、タイ西北部より染付や赤絵が発掘され、その量と質により、また田杭窯の調査などにより、古染付系のものは景徳鎮や福建省漳州などから、主として東南アジアに輸出されたもので、日本へ将来された江戸期の古染付類とは別の「東南アジアに渡った古染付」があると考えられるようになってきた。

作品解説
時代 17~18世紀
タイ・メソート出土品
楽器の琵琶の形をしたユニークな大型変形皿。
雅拙味のある絵付けは古染付変形皿の魅力のひとつといえる。
デザインの優れていることもさることながら、料理を盛り付けてみたくなる形である。
経年のため僅かな風化は見えるが、欠けもなく、肌も美しく完品といえる。
高台内には砂が混入し、砂の上に置いて焼成したことが解る。
胎土、釉薬、作りなどから景徳鎮民窯作品と考えられる。

サイズ タテ:31.2  ヨコ:15.3  高さ:3.8センチ

 

C-17タイ出土 中国元・青花魚藻文大皿 陶片13~14世紀

中国元代に景徳鎮窯で焼造された青花大皿の陶片。
青花は我が国では染付と呼称されるが、発明されたのが13世紀の元の景徳鎮窯といわれる。
当時元青花を手にした人は、その美しさに感動したことと推察される。
その後、13世紀から今日まで青花磁器は世界中で製作されてきているが、元青花に勝るものは作られていない。胎土、コバルト呉須、釉薬、陶工の技術と研鑽、そして国家的な方針と、全てが揃った稀な時代の産物が元青花器といえるのではないだろうか。
近年、タイ北西部より発掘された元青花磁器類は、現代では再現不可能とされ、青花釉裏紅、釉裏紅と共に、中国陶磁史の頂点を訪ねることができる。

作品解説
時代 17~18世紀
タイ・オムコイ出土品
発掘時に立ち会った元青花魚藻文大皿の陶片で、この種の完品も実見している。
元青花の景徳鎮官窯作品の特色は。形状に緊張感が漂い、コバルト呉須が美しく、絵付けが洗練されている。高台露胎部分の削り方が一定で、しかも焼成後の色あいに共通するものがあり、元代の民窯や明、清初のものや漳州窯系の作とは一線を画している。
器体の厚みや形状に特色が見え、元青花の研究資料になると思われる。

サイズ タテ:21.5  ヨコ:21.2  高さ:5.5センチ

 

C-18タイ出土中国明・古染付市松文筒茶碗17~18世紀

作品解説
時代 17~18世紀
タイ・オムコイ出土品
従来、元禄文と称されてきた市松文の筒茶碗で、斬新なデザインといえる。
経年のため僅かな風化は見えるが、欠けもなく、肌も美しく完品といえる。
高台内には砂が混入し、砂の上に置いて焼成したことが解る。
胎土、釉薬、作りなどから景徳鎮民窯作品と考えられる。
高台内に出土時の土を除く際に付けた微細な擦り線がある。
東京五輪に採用された意匠として話題性もあり、寒期の茶事や茶会に活躍する一碗といえる。

サイズ 径:11.5  高さ:9.8センチ

 

C-19タイ出土 中国明・色絵人物文方合子15~16世紀

色絵とは、中国で興った陶磁器の加飾法の一つ。
五彩(日本の色絵・赤絵)磁の一技法。
あらかじめ染付によって釉下に文様の輪郭を描き、施釉焼成ののち、染付の輪郭線に従ってふたたび各種の上絵の具を賦彩する。
絵付文様はていねいで気品の高い表現となる。
この技法は初め明の成化年間(1465~87)に景徳鎮窯で試みられて成立し、明王朝下の歴代の官窯でもつくられた。
その後の五彩は、弘治、正徳を経て嘉靖期には大いに発展し、窯業人口は50万人に達したといわれている。特色は濃厚多彩で華麗なものが多く作られ、海外に輸出されたという。

作品解説
時代 16~17世紀
タイ・オムコイ出土品
方形で四隅みにへこみ面を取る大型の色絵合子である。
梅沢記念館所蔵の「嘉靖・五彩人物花文方合子」より小さいが類品と考えられる。
この合子と同じ意匠の方6.5㎝ほどのものも出土しているので、大中小作品があったことがうかがえる。
二人の人物は争っているのか、また当時流行った講談の一場面なのか判断できない。
色絵部は長く土中にあって褪せている。高台内に出土時の土を除く際に付いた微細な擦り線がある。高台内には砂が混入し、当時の焼成法がうかがえる。
染付の色や外側周りの花文は美しく、表面の肌も光沢があり良品といえる。

サイズ タテヨコ:10.8  高さ:6.3センチ

 

C-20タイ出土 中国明・素三彩刻花兎花卉文双耳瓶17~18世紀

中国明~清にかけて福建省漳州窯や田杭窯で焼かれた素三彩と呼ばれる焼物である。交趾香合などと同じ胎土と釉薬を用いて華南三彩とも称されてきた。
1997年に田杭窯の発掘調査により、窯元が判明し、17世紀から素三彩は交易品として大量に生産されていたことがわかってきた。
近年、タイ西北部の山腹から交趾を含め多くの合子類と共に素三彩作品が出土した。いずれも16~18世紀のもので、主たる輸出先は東南アジア諸国で、この頃の中国陶磁は世界に多大な影響を及ぼしていた。ちなみに我が国の茶陶の代表格である「楽茶碗」の彩陶も、この素三彩が源流であったという。

作品解説
時代 17~18世紀
タイ・オムコイ出土品
漳州窯か田杭窯で焼造された、美しく品の良い素三彩の瓶である。
外側周りは花卉と兎と立ち上がり部にラマ式の蓮弁の彫りを施している。
全体を覆う緑、兎、蓮弁、花卉部の紫と黄釉は、出土品とは思えないほどの色調を残す。
名高い交趾香合と同種の色調といえる。
口辺に僅かな釉のハガレはあるが、風化による肌の荒れもなく完品といえる。
中国陶磁三百年の歴史を語るに相応しい彩陶といえる。
洗浄済。

サイズ  径:12.4  高さ:18.4センチ

 

 


ただいまの出品につきましては
ヤフオク
ギャラリー珎玄齋
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/g_chingensai

よりご高覧ください。

2017年9月19日