ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴

オークション出品 8/7~8/13

№-41
タイ・カロン鉄絵動物 蛙 15~16世紀

カロンは、タイ北部チェンマイ付近に位置した15世紀前後に開かれた窯で、ランナータイといわれるタイ北方王朝の北方諸窯では代表的な窯だった。タイ中央部のスコータイやシーサッチャナライのスコータイ王朝やアユタヤ王朝の窯とは異なり、製陶技術は精巧で鉄釉、鉄絵、青磁など高度な作品を遺している。特色は柔らかい雰囲気の器胎に独特の鉄絵文様を描き、透明釉を施したものが多い。小品の動物類は希少で造形的価値が高いといわれている。

作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土品
カロン鉄絵動物の中でも数少ない蛙の肖形。
無造作に作られたように見えるが、動物の特色をとらえていて、造形的に優れた感覚がうかがえる。渦巻文と点描の文様がカロンの特色をあらわす。文様の発色も良い、
カロンの動物造形物は小品ながら優れたデザインのものが多く、近年美術品としての評価も高い。
上目遣いの蛙は、生きていて今にも動き出しそうな感じがする。
水洗浄済。

サイズ
タテ:5.2  ヨコ:5.1  高さ:2.3センチ

 

№-42
カンボジア・クメール黒褐釉碗11~12世

クメール陶は、9~13世紀に現在のカンボジアを中心として栄えたクメール族の王国で作られた陶器をいう。土器から始まり、9世紀後半から灰釉をかけた陶器が作られ、クレン・タイプと呼ばれる初期の胎土が灰色か灰白で、透明性の灰釉がかかるものは希少という。クメール陶を代表する黒褐釉は10世紀末から始まり、端正で格調高い姿は東南アジア屈指のものといわれている。

 

作品説明
時代11~12世紀
オムコイ出土品
クメール陶の特色を備える黒褐釉の碗で、姿は端正で精緻な作りである。
高台のない碁笥底という形で、立ち上がり部に段差のある稜線を作っている。
同じ形状の灰釉の碗があることから、10~11世紀前半に作られた可能性もある。
見込みは深く、天目茶碗の品格に勝るとも劣らない古格をみせる。
茶人の好む濃茶碗として、茶事・茶会で活躍できるものと思う。お茶が映える一碗である。
スレ、風化はあるが、キズ、欠けはなく完品といえる。洗浄済。

サイズ
径:14.0~  高さ:7.4センチ

 

№-45
タイ・スコータイ鉄絵魚文皿14~15世紀

タイ古窯のスコータイ窯とシーサッチャナライ窯の焼物は、インドやアフリカそして日本にも輸出され、その多種多様な器種や文様構成は多くの人々を魅了してきた。
中でも、日本で「宋胡禄」と呼ばれた焼物は、茶の湯の主要道具として珍重され、桃山時代以降に数多くの茶事に用いられた。
宋胡禄という珍しい名称は、タイのサワンカロークという都市名が訛ったものといわれ、スコータイ窯とシーサッチャナライ窯の製品が集積・経由され積出されたことによるという。
両窯が主に操業していた時代がスコータイ王朝で、13世紀初頭に建国されたタイ民族による初めての統一国家だった。王朝は盛んに窯業を奨励し、外貨獲得の主要な産業に育てた。
スコータイの陶器は3種別に焼かれていて、輸出用の最高級品は青磁などを、寺院用や人形などを、魚の絵を描いた皿や鉢、碗を主とした窯と分かれていたという。

作品説明
時代14~15世紀
ターク県メソート出土品
典型的なスコータイ窯の魚文皿である。
見込み底にユーモラスな魚が描かれ、尾が円からはみ出している絵は斬新で、奔放に描かれるスコータイ窯の魅力のひとつといってよい。
僅かに経年の劣化はあるが、光沢を持つ濃いベージュ色の肌は美しく良品といえる。
比較的に底が厚い。洗浄済。

サイズ
径:17.5  高さ:5.0センチ

 

 


ただいまの出品につきましては
ヤフオク
ギャラリー珎玄齋
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/g_chingensai

よりご高覧ください。

2017年8月7日