日本のすがた・かたち
若者に問われることが多いのが、「人生の意味や価値」についてです。
30過ぎから「人生には意味がない」、という私の考え方に変わりはないため、そのように答えます。
皆は一様に「なぜ」と問い、一様に「それでは生きる価値がないのでは」と問い質されます。
自分の中では若い時分に死ぬほどの事故に遭ったことから、「死」について考え悩んだ挙句の「意味なし」とのことなので矛盾はないのですが、説明するのが難しいことでもあります。
このような時はお釈迦さんの教えを持ち出したり、般若心経の話をしたりしますが、中身は私自身の直感というか、感覚的なものでしかないことを再確認します。
なぜ人は死ぬのか、なぜ人は生きるのか、苦しむのか、自分が幸せになりたいために人を殺すのか……。皆分からないことばかりです。
人間が人間らしく生きるには、健康とお金と夢と仲間の4つが必要だといいます。古今東西の先賢はこのことについて歴史的な事実を前にして事細かに教えています。つまり自分の生きる道はこれら万巻の書を読めばすべて分かるというものです。
しかしそうは行かないのが人生というものです。
人が生きるに必要な4つの内の何が足りないのか。これを分かり、この対策を講じることができれば自ずから道は開けてくるように思います。
現在、私が取り組んでいる「Sのプロジェクト・茶の湯のステージ造営計画」も同じような4つの必要なものが揃った時に成就するはずです。
造営計画(3次元空間・時間を乗じた4次元)、資金(力・エネルギー・5次元)、夢(志向・方向・6次元)。
この世は、この宇宙は6次元をもって解明できると思っています。
6次元の考え方は弘法大師・空海が伝え、近年「飛騨の口碑」を遺された哲学博士の山本健造氏が提唱されたものですが、私は「人生に意味なし」との観かたを得た頃に、博士の弁証法理論に共感できる基礎的な直感を得られたのではないかと思います。
人間は生きて死ぬだけ。
さあ、どうして生きるか。
興味が尽きないところです。
「六次元」
崇高な志こそ尊けれ すべてが叶う基となりせば (2002年 自詠)
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空海が伝え山本健造氏が提唱したた各具マンダラ(『神秘の六次元世界』山本健造著 福来出版1995年刊)
山本氏は、虚空蔵菩薩を「空間」、降三世菩薩を「時間」、観自在菩薩を「志向」、金剛拳菩薩を「エネルギー」と説き、宇宙の実相、大生命は大日如来をいうとしています。