イベント情報, 太田新之介作品集
2022年5月23日
丹波茶碗 十二作の内-12
丹波沓茶碗 銘「月天子」(がってんし)
丹波の引出し茶碗作りに挑戦して早5年が経つ。
灼熱の火中から取り出したものを水に浸けて急冷させたものや、自然に冷やしたものなど試作を繰り返してきた。
そして今回の窯から3点の引出し作品が出た。挑戦してきた甲斐があったと思った。
艶のある薄い灰グリーンの器体は何故か月をイメージさせた。
シテ「南無帰命月天子。本地大勢至…」。
謡を習い、観世会館に出演した頃、盛んに「羽衣」に登場する月(月宮殿)の天子「月天子(がってんし)」の節を謡っていた。
月天子の住むという月宮殿が、と。
得も言われぬ色合いが美しい情景を見せたのである。
2022年5月23日