日本のすがた・かたち
2013年5月15日
掌の裡にあるもの
いつの間にか持てるものを託すような気になっていました。
つい10年前まではそれほど強くなかったその願心が、今は高まっています。
15のころから建築を学び、30のころに建築家を志し、
40のころに木造建築の設計に志し、50のころに茶室の設計に志し、
60にしてようやくその準備期間が終わったように思いました。
一人前の建築家になるには未だこころざし半ばのような気がしますが、
持てるもののすべてを次代を担う者たちに伝えさせてもらう。
そう思い、行動を起こし始めまたのが今年の一月でした。
私の掌の裡にある「日本人の優れた記憶が、縄文の昔から手から手に伝えられてきた記憶がその主役です。
あらゆるものごとがデジタル化してやまない時代に必要な記憶です。
人間はどこまでいってもアナログという生きものであるという証拠を、若者たちに感じてもらえるのではないかと思っています。
「伝られたものが伝える」
先人はそうしてきたようです。私もそのようにしたいと思っています。
(写真上 岐阜瑞龍寺僧堂(設計監理) 下 将来の私のイメージ)
2013年5月15日