日本のすがた・かたち
八十島の露の匂える春秋に
棲むはうるおう肌のもろびと
ホモ・サピエンスとは新人類、現生人類のことをいい、新人ともいいます。
分類学上は、哺乳綱(哺乳類)サル目(霊長目、霊長類)ヒト科ヒト種で、約20万~15万年前に、アフリカ大陸で旧人から進化し、世界中に生活圏を拡げたといわれています。
私はこのアフリカ大陸がすべての大本という説を信じていません。
なぜならば、日本人の遺伝子工学上の分類でも、何パーセントくらいは分からない人種があることです。同じひとりの母から世界に散らばった遺伝子が、なぜこうも違う顔と体系と皮膚の色を生み出したのか、そして言語がこんなに違うのか、私は不思議に思います。
それは永い進化の結果だ、という学者の説も分からないことはないのですが、私には納得できない差異といえます。
昨日、私の家に雪が降りました。何年振りかの雪化粧に歌心が掻き立てられましたし、窓から見える富士山の美しさに感動していました。好みの椿「師子王」の蕾に積もった雪で、その差異は気候風土だとの思いに至りました。
新人類の差異に決定的な影響を及ぼしたのは気候風土でした。
私淑していた中国の『論語』、『唐詩選』、『臨済録』、『碧厳録』などの漢籍は若い頃から人生の指針でした。それが近年揺らぎ、今では古代日本の精神性にその指針がとって変わってきました。理由は気候風土から醸成される精神性だ、とこの頃になってそれに得心がいくようになりました。
何度か中国に旅行し、分かったことは国土の湿り気でした。何処もかしこも無さ過ぎました。
靖国神社問題や尖閣列島問題に象徴される現在の中国人の行動を見ているとそれがよく分かります。思考に湿り気がないのです。 日本人は古来、「嘘をついてはいけない」、「人を騙したり、裏切ったりするのは恥ずべきことだ」と教えられてきました。
しかし、現在の中国人の常識はまったく逆で、嘘を付き、人を裏切ることは悪いことではなく「賢いこと」になっています。
『孫子の兵法』で、孫子が最上の勝ち方としているのが、謀略です。上手に嘘をつき、騙すことが尊ばれというものです。中でも「二重スパイ」が、一番価値が高いとしています。これが現在の中国人の思考レベルです。
それを悪だとしかいわない日本人は、本当の中国を理解していないことになります。日本政府も「中国とはどんな国なのか」を真に理解していないからだと考えます。
ジャーナリストの櫻井よしこ氏がその点に触れています。
―歴史において、「中国」という国名は存在してこなかったのです。私たちが「中国」と呼ぶその地域には数千年も前から、さまざまな民族が侵入し、各々、独自の王朝を作って君臨しました。支配したのは、必ずしも今の中国を支配する漢民族ではなく、蒙古人だったり満州の女真人だったりしました。彼らはそれぞれ何世紀かにわたる繁栄を築き、衰退し、新たな民族の台頭で滅びていきました。そして王朝が変わるたびに、歴史が時の為政者に都合よく書き換えられてきました。 中国にとっては、歴史は勝った側が作るもの。事実や真実には意味がなく、いかなる手段でも勝てばいいと考えるのが、彼らの常識です。
島国であり、戦国時代など一時期を除けば安定した社会が長く続いた日本で、正直さや誠実さが尊ばれてきたのとはまったく違うのです―
まさに正鵠を得ている発言です。
縄文の昔から先人がつくり、それを営々と伝えて育んできた精神性。それは湿り気のある列島の気候風土だろう、と私は思っています。
独裁者しか治めることしか出来なかった何処までも砂漠や乾いた国土。私たちは独裁者とはとても似つかない、天皇陛下を戴いています。
日本人は優れた特質を培かい具備してきた。
そう思えてならない昨今です。