日本のすがた・かたち
雲上にさやけく薫る相聞の 歌舞のかたちを待つは清しさ
目に見えるもの、見えないものがこの舞台で交会する。
見えるものは私たち。見えぬものは「大いなるもの」。
ここに集い、共に楽しみ、よろこび励ます。
私は、今は亡き縁者たちを招いた。
巫女(風間哉子)の先導で、斎主(KNOB)が「大いなるもの」の依り代(よりしろ)を建てる。
館内は水を打ったような静けさ。
高揚してゆく緊張感が「祭事」の始まりを知らせる。
依り代は「若松」。大いなるものは「紙垂(しで)」。
小さな蝶の羽ばたきが
地球の裏にとどく時
大きな風になるという
大いなるものを招きて
共に聴く音曲が
風となり彩雲となって
結びの輪を広げてゆく
(演出メモより)
これより雷(イカズチ)のカミ(小林太郎)が現れ、太鼓を轟かす。
(続く)
(2009・11・29 MOA美術館能楽堂 slapshot:星野英介)