新之介文庫だより
2019年11月6日
近詠・句歌都々逸55
香立てて月のしじまに尋ねやる 先祖のその後如何に如何にと
黄昏て ツクツク法師 羊雲
秋分や いつまで嵐 這うヤモリ
ただ歩く 青柿の空 雲光る
設計の 楽しさに会い 栗を喰う
芒揺れ 川面に揺れる 我の貌
捨てながら 人生既に 秋の暮
〽︎ たかが人生成り行き任せ「ってね・・・」言ってたアンタが痴呆症
〽︎ お前百まで儂ゃ九十九まで「ってね・・・」言ってたアンタは認知症
〽︎ 飲み食い出すの一生だものアタシゃお悟りなぞ要らぬ
〽︎ 君に送った花束なのに 何で食べるのニコニコと
〽︎ 胡散くさいのその決め台詞 粋な足元覚束ず
設計は己れを映す鏡かと あの時の我明日の夢かと
去る時に 想い託して 眉の月
危機管理 過去なら出来る 出来ぬ明日
大風に 敵わぬまでも 屋根の星
いざさらば 移ろう刻に 別れ酒
秋の夜に 思いの丈の 独り言
道行けど 細まり続く 月の華
2019年11月6日