新之介文庫だより
2019年10月16日
近詠・句歌都々逸53
人生も 何時しか淡し 暮れかかる
露地に落つ 秋の実ひとつ 羊雲
上弦に 恋の炎(ほむら)が 目覚めけり
何時までも 動かぬ雲に 咆哮す
今朝は 秋蝉声絶えて 集く虫
便りなし 絶えたか友よ 甍月
露地に立ち 古人を偲ぶ 宵の月
扁額に 在る日のことを 辿る跡
我が手成る お野立所なり ああ陛下
太柱 荘々の影 斜に宿す
天皇を迎えた我と天城杉 樹々の影国のかたちの御魂ぞと
令和なる大嘗祭の朝陽浴び 幾久しくと祈り参るか
神無月清池を照らせ日の本の 子孫(うみのこ)の幸皇(すめら)の願いも
千早振る天皇座す御座には 皇祖の魂の光充ち満つ
天皇は瑞穂の国の光なる 天地の間を照らし美しと
皇統に日本のすがた見て清し 平和を祈り仰ぐ尊さ
この四季は目まぐるしくも冴えにけり 我は誰ぞとぼんやりとして
またひとつ 歳を重ねる 令和かな
細道を 辿る我が身に 野辺の花
隣国の 権力哀れ 崖崩し
2019年10月16日