日本のすがた・かたち

2019年10月2日
四つの窓から

 

 

〽︎  空間、時間、勢力、志向 ほんに建築は六次元(都々逸)

〇 新しいものばかり追いかけていると、いずれ中身が空っぽになる。
設計の発想を得るにはまず自分を充実させることだ。

〇 「温故知新」、古きものの中に新しきものが充満している。

〇 新しいものはAIの得意分野だ。これからの世で最も人間的かつ創造的なことは、遠く古きことを尋ね、新しきを得ることだ。

〇 明日を生み出すには、今日までの積み重ねを頼りにする他はない。

〇 自分を充実させる手立ては夫々に異なる。顔付きが夫々違うように。

〇 創造することの面白さに遭遇する時、私は沈黙している。

〇 縄文時代を訪ねるようになってから、私は設計が面白くなってきた。一万五千年の時の流れに興味は尽きない。

このようなことを呟きながら、「三島御寮」造営計画に取り組んでいる昨今です。
そして今、この呟きの根底にあるのは「六次元弁証法」です。

 

六次元の思考については、10年前から私をとらえて離さない世界観で、これを提唱されたのが『飛騨の口碑』を世に遺した山本健造翁です。
翁は2007年に亡くなりましたが、著作により私は「六次元理論」や、インドの最古典『リグ・ヴエ―ダ』の思想によると、「普通の人間は、この世の中の4分の1しか見えない。残りの4分の3は悟りを開かねば見えない」などの理論に共感し、以来、設計活動を通して、折々実践解明するようにしています。
結果、ものごとを「空間(三次元)」、「時間(四次元)」、「勢力(五次元)」、「志向(六次元)」的思考方法を持ち、その四つの窓から建築の設計を観ると、いつどこでもどの様な建築のプランでも容易くできる、と思うようになりました。面白いようにすがた・かたちが現れてくるからです。

 

また、山本翁は21世紀型の「統合医療」も提唱しています。注目すべきは神秘的といわれる念写や瞑想、波動の原理を科学的に応用する治療を勧めていることで、これらも四つの窓から病気の治療を目指していることになります。そしてすべては「崇高な志」にその結果があると説いています。

 

翁の思想は現在、山本貴美子氏が継がれ、「一般財団 飛騨福来心理学研究所」、「六次元会」を主宰して、多くの方を導いておられます。
先日、貴美子氏より便りを頂き、飛騨高山市をお訪ねしたことを懐かしく思い出し、再び訪ねてみようと思っているところです。

 

今日はボンヤリ空行く雲を眺めながら、自分の建築構想は六次元的思考を基にしているようだ、と頷いています。

 

写真: 山本健造翁

 

 


2019年10月2日