イベント情報
夜の帳が降りる頃、家に戻ると門の前に何やら荷物が。
焼物用の土なので、直ぐにメールを見ると、陶芸家の佐々木さんが持って来てそのまま帰られたとのことでした。
お礼のメールを送った後、
(今回は初めての唐津の土も、楽しみだなぁ…)。
独り言をいいながら、頭の中は既に作陶モードに入っていました。
年末の窯焚きに間に合うよう11月の末までに作っておかなくてはと、今日は仕事の傍ら2月の「茶飯釜の茶事」に使う道具の選定作業も始めました。
土は私を焼物づくりに誘います。
佐々木泰男さんは年末の窯を焚き、来年1月25日から2月2日まで富士宮の「ギャラリーWAZO」で個展を催すことになっています。私は佐々木さんの新作が楽しみで、行ってみたいと思っています。
三十の歳から本格的に始めた陶芸も早40数年。この面白さは本人にしか分からないのではないかと思います。
私の場合は、専ら自前の茶事に使うために作り、茶杓や他の道具とともに自作の展示会的な様相を呈すため、周りからは自画自賛が強すぎるのでは、と顰蹙をかっています。
そんなことは馬耳東風で、褒めて頂いた方にはそれを謹呈することにしていて、茶事の中でこのやり取りの面白いことといったら,他にないようです。
前の2度の窯で出来た茶入に象牙の蓋を添え、これから仕覆を付け、桐箱を作ります。
夫々に銘を付け、また茶事に使い、後は褒め方の良い方に差し上げるという繰り返しとなります。まあ、頂いてくれる方がいる内が花だと思います。
いずれ世に出て「樵隠庵作の名品」とうたわれることになるかとの淡い期待も、です。
上 茶入「焼しめ萩肩衝」2019作
上中 茶入「丹波撫で形」2019作
下中 茶入「志野肩衝」2018年作
下 茶入「黒泥肩衝」2018年
楽しみは茶事の道具を創りして 親しき人を招くその朝