日本のすがた・かたち

2008年8月1日
はしら

hp-14.jpgあることもなきこともみな大いなる
君の象(かたち)の柱ぞと建つ

人間は、何事かの行動を起こすとき、こころの中に柱を立てるといいます。
老いも若きも、そのこころの真となる御柱を建てるのです。これは人間の力、ましてや自分の力では不可能と思えるものに、大いなるものの加勢、加護を願い、その拠りどころをつくるというものです。そして、その柱の声を聴きながら対話し、自分と柱との往来がすすむと、それが大きな力となっていることを実感するのです。太古から繰り返してきた                              人間の本能だと考えられます。
大いなるものの存在。それが常に私たちの行動の規範となってきました。人々は、目には見えないが、何か在るものの気配に畏怖し、互いを思いやる互恵の輪をつくってきたのではないかと思われます。
今、全国で盛んに行われている夏祭りは、大勢がひとつになり、大いなるものの中で輪になる祭事といえます。日本人の胸の底には、和の色を帯びた大いなるものが棲んでいて、常に一緒にいて、「一人じゃないんだぞ」、といってくれてるような気がしています。
大いなるもの       
天に輝く太陽 白く優しい月 
漆黒の闇に煌めく星たち
大地の揺れ 雷 大風 大雨 大雪
そびえる山 果てしない海原
流れる川 湧きいずる泉
森や林 大きな岩 大きな洞 巨きな樹
どこかにひそむ精霊たち
身近な動物や不思議な生きものたち
そして 私たちの祖先
そして みんなのために生きた人たち
それら優れた大いなるもの
古より 日本人は 大いなる自然をかたちづくるもの
それを畏れ 崇め 敬い それを時に神とし仏とした
それを 明日を生きる光とし のぞみとした
知らず 皆そのなかで生かされてきた
大いなるものの中で 和むことを学んできた
遠い祖先から私たちまで続くもの
祖父母や父母に伝えたもの
それが和
大いなるもののなかで息づく心 和みの心
人はそれを 愛とはいわず 和と呼んだ
それは 今 あなたの隣にいるひとを思いやること
それが和の心
大いなるものの中で 手をつなぎ 環をつくる 
ここにいます精霊やはらからに見守られ 
歌や舞 音曲で共に楽しむ
今 大いなるもののなかで行き交う言霊(ことば)
「和の心にて候」
( 『九天飛翔』より「大いなるもの」 詩 太田新之介 )


2008年8月1日