新之介文庫だより
2019年7月3日
近詠・句歌都々逸42
予定なし この豊かなる 日や愛し
ボンヤリと 蓮を見ている あの世なる
宇宙にも 心在りせば 蜘蛛の糸
人憎し 思えば夏の 気の嵐
待ち望む 抗ガン治療の 友の笑み
妄想や あと一刻までの 坐禅かな
そう言えば 昔の彼女 京鹿の子
華や咲け 咲かねば手折る 大賀蓮
遅き梅雨 梅や何時まで 閨の中
文月や 歳とる女 妖しけり
来る来ぬか 宵や迫りぬ 梅雨の月
設計や 新しき発見 またも雨
臆病に トラ習金プー 罹りけり
隣国の 恨なる色の 血や憐れ
大和なる 和みの色の 血や勁し
北山の 御神の杉に 一礼す
夏木立に 我と思しき すがた観る
茶を喫し 川面に鵜小屋 宇治の夏
木の精に 触れて口説くか 宇治の庵
色香在り 北山杉の 磨き肌
2019年7月3日