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2017年4月3日
トホホの試し焼き
トホホの窯出しは寒さが身に沁みました。
高温の窯とは聞いていましたが、想像以上で、丹波の原土を使ったものは何ひとつ原型を留めていませんでした。
9個の内使えるのは3個でそれも今ひとつで、黒泥の茶入が辛うじてひとつという有様でした。
丹波の茶碗がヘタリ、黒泥茶碗とくっ付いたのを黒茶碗の方だけでも助けようと思い、上手く切り離そうと考えましたが、まてよ・・・。
(せっかくくっ付いた仲なのに、別れさすことはないな・・・)
私の恋愛観が思い止めました。
(焼けは悪くないので、このまま使える道はないか・・・。)
(これを使えばまさにアバンギャルドではないか!よーし、くっ付いたまま濃茶茶碗に使ってみるか!)
焼物の難しさは窯から出てくるまで分からないところで、置く位置や火加減、薪の種類、焼成時間などによって成否が分かれます。
今回は丹波の原土のものが強い火力によりへたってしまい、入れることが無理という窯でした。これを教訓に、次なる8月の富士川の窯で焚くものを作り、工夫して入れてもらうことにしました。
アバンギャルドとは伝統に新しい工夫を重ねて行く所業。
私にとってのアバンギャルドとは「用と美」の最先端ということになります。
さあ、新しい濃茶点前を開発してみよう。
2017年4月3日