日本のすがた・かたち

2019年4月21日
ルパン三世ー逝く

 

平成31年はこの五月から令和元年となります。
平成最後の春までには馴染みのある諸氏が、駆け込むように亡くなりました。
小池一夫、モンキー・パンチ、ケーシー高峰、内田裕也、森山加代子、内田正人、堺屋太一、堀文子、梅原猛氏等々。
いずれも私の生きてきた時間に刺激を与え、輝かせてくれた人たちです。

 

中でも、愛読書『子連れ狼』や『ルパン三世』を世に出した小池一夫、モンキー・パンチには親しみを持っていました。

なぜなのか、と考えてみると、登場するキャラクターが半端なく魅力的で、主役は弱点をもち、ライバルは欠点有り、という絶妙な関係性を持っていたことによります。
つい最近も量子コンピュータを題材にした『ルパン三世』を見たばかりでした。

『子連れ狼』も『ルパン三世』も、今を生きる人間にとって、何が大切で何が希望や夢となるのか、がテーマにあり、時代と共にヒットする魅力に溢れていました。

 

建築の設計に生きている私は、小池一夫の金言に気を留めることもあり、それらは万人に共通する禅語の趣すらありました。
―82年間生きてきて、いちばん幸せだったのは、人を好きになる、人を愛するという感情だ。成功することや、何かを成し遂げるという感情が、人を愛するという感情に勝ることはなかった。死ぬまで誰かを心の底から愛せるということは本当に幸せなことだなと思う。この世に生きている価値があると思える。―(2018・5月)

私もこの言に同感で、人間の幸せは人を好きになっているか否かにかかり、しかも、私の場合はそれに「建築の設計」が道連れのように寄り添っているように思います。

何よりも「好きになること」、これに勝る幸せはないようです。

 

私が現在、最も関心をもっているキャラクターは「ドラえもんと野比のび太」です。
もう既に五十年、付き合いの長い愛すべきロボットと人の子です。
原作者の藤子・F・不二雄は天才建築家だと思っています。

 

画像:「金曜ロードショー ルパン三世 ルパンVS複製人間」より

 

 

 


2019年4月21日