イベント情報
昼夜兼行7日間の窯焚きが今夜終わったとの報せがありました。
陶芸家の佐々木さん始め、陶芸仲間の皆さんお疲れ様でした。
正月以来、私は多用に過ごしているため、今年の窯は作るのが精一杯で、窯焚きの手伝いができませんでした。
せめて一週間後の窯出しには、と思っているのですが…。
3日の深夜、陶友市川君の送ってくれた写真には、何と、又もや「引出し丹波」が!
引出しとは窯の中で赫々と焼けている作品を手の長い道具でつかみ引出し、水にザッブと浸けるものです。私も何度もやったことがありますが、水に浸けた時の衝撃は思いのほか大きく、緊張する一瞬です。
桃山時代の名品で、「引出し黒」といわれている黒楽とは違う艶消し黒茶碗がありますが、丹波原土での引出しは聞かず、多分佐々木さんが一年前に始めたのが最初ではないかと思います。
その二年前の大晦日の夜、もしかすると壊れるかもしれないとメールで知らせてくれた後、佐々木さんが試しに窯から引き出した丹波の茶碗は私の作ったものでした。
黒地にブルーがかったグリーンが鮮やかに出て、神秘的な出来栄えでした。
彼は感激したのか即座に「大晦日」という銘を付けてくれ薪に書いてくれました。
後日、彼を茶事に招きその茶碗でお茶を点て、来庵の記念にと差し上げたのはいうまでもありません。
今回のものは高台が少し欠けたようですが、今月末の茶事には申し分なさそうで、多分席中に花を添えてくれるのではないかと思っています。
来週には手元に届くはず。どのようなすがたかたちなのか、恋人に会うように楽しみです。
いよいよ来週から茶事に向け、露地の草引きと脚の強化運動が始まります。
茶事にはまって30年。まだまだこの一連のイベントはやめられそうにありません。
写真: 上 窯焚き 陶芸家佐々木泰男氏
中 丹波の茶碗を窯から引出し、水に浸けるところ
TP 一昨年の引出し丹波 銘「大晦日」 自作
(撮影 市川武)