ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴

元青花考-1   

2003年に『東南アジアに渡った・元明のやきもの』(里文出版)を上梓しました。
これに掲載した陶磁器類は、1998~2000年にかけて、主としてタイとミャンマーの国境を隔てるタイ西北部のタノントンチャイ山脈一帯から出土したもので、他にはチェンライやミャンマー領内から発掘されたものもあります。

出版に至った経緯は、これらの作品群は人類至高の宝ではないかとの思いが募っていたこと、里文出版の安藤秀幸社長の強い勧めによるタイミングの良さというものでした。
出版した途端、数か所から講演の依頼を受け、作品群を見せて欲しいとの要望が多く寄せられました。また里文出版経由で購入できないかとの依頼も数件ありました。
これらは自身は建築設計が生業であり、それ以上この件に関わりたくなかったこともあり、全てお断りしました。
一方、人を介し、美術関係者が数人訪れた折、数点をお見せしました。
反応は意外で、著名な美術館関係者の一人は手に取ることもせず、ただ「気持ちが悪い」とだけ言い、他の方は手にして「う…、う…」と黙って唸るだけでした。
以来、テレビ出演している高名な古美術商から、これらの作品を扱いたいとの依頼もありましたが、会ってみると元青花に接していないことが判り、お断りすることにしました。
以来、12年間は折に触れ、時には座右に置いて、14世紀に発明された至高の中国美術を愛で鑑賞、研究してきました。

昨年来、「三島御寮」造営計画を実行に移すため、資金調達を始めました。
その一環として美術品の売却を始めるにあたり、数人の古美術商と接触しましたが、市民権を得ていない作品を扱うのには腰が引けて頼りがないこと分かり、インターネットオークションに参画することとなりました。
現在、36か国の方からアクセスがあります。ご縁があればと思っています。

これからブログ上で、「手にして心に応ずる」ところの元青花を紹介して行きたいと思っています。
どうぞご高覧下さい。

その-1
□元青花の特徴
1.大型で圧倒的な存在感
2.重厚な想像以上の重さ
3.深みのある藍色(回回青・コバルト呉須)
4.全面を埋め尽く斬新な文様
5.純白の磁器土(高嶺・カオリン)
6.青味がかる透明釉(宋代青白磁〈影青〉系の釉)
7.高度で洗練された形成、画法、焼成技法
8.露胎部は火石紅といわれる赤褐色
9.独特な高台の内刳りと形状
10. 大壷などの内部に接続痕

続く

 

画像:オークション10月1日出品・元青花瓶作品
下:『東南アジアに渡った・元明のやきもの』(里文出版)掲載ページ

 

 


ただいまの出品につきましては
ヤフオク
ギャラリー珎玄齋
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/g_chingensai

よりご高覧ください。

2018年10月1日