日本のすがた・かたち

2018年6月20日
無数の活断層

この10日ほどで群馬、千葉、大阪、山梨、また大阪と福島に地震が起きています。
専門家の間では活断層のあるところでは、何時地震が起きても不思議ではない、とのことです。
そうすると、日本列島は活断層が至るところにあるので、地震の巣窟であることは論を待ちません。

三年前、近くにある箱根山の大涌谷周辺が小規模噴火を起こしました。
その折に箱根山は直近の噴火が3100年前であり、噴火前後の観測データがないことが話題になりました。現在の学問では、噴火予知は不可能に近く、ハワイやグアテマラの噴火はまさに人智及ばざる状況で、成す術もないところです。

近年、日本列島は地震の活動期に入ったとされ、現在最も注目を集めているが日本地震予知学会会長の早川正士氏の理論のようです。
「地震が起こる約1週間前、前兆現象として地殻のヒビ割れが起こる。このヒビが電磁波を発生させ、地球上空の電離層に作用する。電離層は通常、上空60~800キロメートルに存在するが、電磁波の影響を受けると地上に数キロメートル近づく。地上から送信される電波は電離層ではね返り、再び地上で受信されるため、異常があった場合は、電波の送受信がいつもより短時間で行われることになる。各地の観測所で得られた結果から地震の震源地と発生時期を予測している。」
この理論からすると、地震は生命体である地球が宇宙の法則に沿って起きるように思えます。地球の表皮であるプレートの動きも地球だけの条件という訳にはいかないということです。

南海トラフ巨大地震の発生も現実味を帯びてきました。
60万年前、火山島だった伊豆半島が日本列島にぶつかり、その時に地下にマグマが生まれて富士山と箱根山ができたといいます。2つの山はいわば兄弟の関係で、距離も25kmしか離れていないので、どちらかが噴火すれば、連動してもう片方も噴火する可能性があるといいます。


私は、良寛禅師に倣い「地震は来た時に対応すれば良い」との考えに与しています。
いたずらに過度の心配は禁物で、何時何処で遭遇するか誰にも分からないからです。

北大阪地震では国宝の茶室が被害にあったようです。人命は無論ですが、形あるものは壊れるのが定め。仕事柄、列島に存在する優れた建築に被害がないことを願い、万が一に消滅することがあっても、先人の遺徳を継承し後の世に伝えるべく、復元できる準備を怠らないようにしたいものです。

私は、より耐震設計に努め、長く人々の役に立つ建築を造って行くことを目指しています。

 

写真:南海トラフ巨大地震の想定震源域 画像は「Wikipedia」より引用

 

 


2018年6月20日