新之介文庫だより

2018年3月17日
近詠・句歌都々逸20

 

湯を浴びて 設計の妙 得りにけり

 

設計を 解らぬままに 蒼穹(そら)の色

 

責任の ない設計の 味気なく

 

設計の 楽しさ会い 逢いに行く

 

発想は ひとつか設計 謎だらけ

 

設計の 悔しさに耐え 月を観る

 

息詰まる 設計の果て 湯気や立つ

 

設計の 淋しさに耐え 花を挿す

 

人生は 設計の是非 繰り返し

 

設計は 親の歳まで なぞる夢

 

切なさや 設計野に在る 仏かな

 

設計の 切なさに遭い 野を歩く

 

スクワット 設計図観る 前準備

 

設計の 淋しさに耐え 脚を揉む

 

始まれば 設計と共に 足洗い

 

設計は 恋の季節や 胸躍る

 

時雨にも 設計絶えず 進みけり

 

月の海 設計図にも 移しけり

 

設計は 集まる者の すがたなる

 

君に会う 設計の中 恋時雨

 

 

句集『千々繚乱』より

 


2018年3月17日