Sのプロジェクト
2018年1月1日
茶の湯のあかり
三島御寮造営計画のために開発してきた「茶の湯のあかり」が先月末工学的完成をみました。デザイン的には未だ未完成ですが、後僅かな形の修正で完成となります。
三年がかりの試行錯誤は照明器具の限界に挑むようなものでしたが、改良を重ねた結果の灯りは、茶の湯に勤しむ方々のお役に立てるのではないかと思いました。
今回も「禅のあかり」を世に出したヤマギワの開発チームが担当してくれました。
この構想は五年前から始まり、スケッチを渡す際、次の要望を伝えました。
1 .茶の湯における茶事、茶会など凡ゆるシーンに対応できること。
2 .最先端技術と日本のものづくり技術が駆使されていること。
3 .人間の情操が高まるような灯りの質であること。
4 .美しいデザインを追求すること。
そして出来れば、「気にならず、眼に障らず、パワーコントロールを」と。
照明は只の器具に過ぎないものといえますが、機能性と共に人間の精神に多大な影響を与えるものと思っています。
いずれ完成した暁には開発経緯を明らかにしますが、世に長く支持され、多くの人たちの心の安寧に寄与できればと念じています。
私にとっては大建築も照明器具ひとつの設計も同じ思いが成せる技です。
「禅のあかり」は北米国際照明デザイン賞受賞後、既に20年、現在ではヨーロッパでも購入されているようです。
最終案がまとまった造営計画は、年頭から動き始めます。
半年後には、日本のすがた・かたちが見えてくると思います。
写真:照明器具5種の内のひとつの「スタンド」12月26日実験立ち会い
2018年1月1日