ギャラリー珎玄齋 オークション出品履歴
№-91タイ・サワンカローク白濁褐釉蛙水注15~16世紀
作品説明
時代15~16世紀
オンコイ出土品
蛙の姿の双環耳水注で、器胎に彫を施し褐釉と白濁失透釉で塗り分け焼成している。
動物形水注の中でも蛙形は少なく、珍しい。
実際に水注に使用したか定かではないが、近年、これら小品類が世界の陶磁器史上希少であり、美術工芸品としても優れたものとして高い評価を得るようになった。
永く土中にあったため風化はあるが、欠けなどはなく完品といえる。
顔や手足が面白く愛嬌がある。
水洗浄済。使用可。
サイズ タテ:5.4 ヨコ:4.3 高さ:3.8センチ
№-92タイ・スコータイ仏陀遊行大型磚仏14~15世紀
作品説明
14 ~15世紀
スコータイ県シーサッチャナーライ近郊のパゴダ遺跡より出土
スコータイ仏と呼ばれる仏陀遊行像のレリーフである。
この磚仏は崩壊している遺跡地上部から出土したもので、地下の基壇からは陶磁器、地上階からは磚仏と青銅仏が出土している。地上部の遺物は灰の固まった状態の中から出ているので、風化や汚れが少ない。
スコータイ仏の特色はなめらかで女性的な曲線を持ち、腰も男性的な雰囲気を失わない程度にくびれ、基本的に衣以外は身につけて居らず全体に質素なデザインを持つとされる。
作品は、軽やかに片足を踏み出し、歩みを進める仏陀像。穏やかな笑みを浮かべる表情、しなやかで優美な姿にタイ人の美意識を見ることができる。仏陀の歩く姿は、亡くなった母のマーヤー夫人に説法するために三十三天に昇った仏陀が、地上へ降りてくる場面をあらわすとも考えられている。
この種の磚仏像は大中小様々な大きさで製作されていて、現代でもお守りとして首に掛けている人を見かける。
大型の磚仏は希少といえる。
サイズ タテ:29.1 ヨコ:10.1 厚:2.8センチ
№-94タイ・カロン鉄絵動物鳥15~16世紀
作品説明
時代15~16世紀
オムコイ出土品
スッと立っている姿は若い鶏のように見える。
鉄絵動物の鳥の中で最も出土数が多いのが鶏で、家畜として飼われて大切にされていたことがうかがえる。
鳥は点描文が最も多く、羽や尾に違う文様を付しているが、この肖形は点描である。
ひとつとして同じ表情の鳥はなく、陶工たちの工芸的センスの良さが際立つ。
風化などの状態は出土時の土質によって変わる。灰が固まった状態、砂質土から、赤味の強い土からの出土と三種に大別でき、作品は砂質土から出土し、大壺の中に入っていたため風化や劣化は少なく、また、明末から清初の作品と一緒に出土しているため、埋められたのは18世紀末ではないかと考えられる。
僅かに釉のカケやカセはあるが、文様の発色も良く良品といえる。
カロンの動物造形物は優れたデザインのものが多く、生きていて今にも動き出しそうだ。
水洗浄済。
サイズ タテ:6.5 ヨコ:3.0 高さ:5.2センチ
C-36 タイ出土中国明・古染付笠文碗17~18世紀
古染付は、中国の明朝末期に景徳鎮窯で焼かれた青花磁器。
古染付の呼称は、日本で近代になってからのもので、江戸時代には南京染付、南京赤絵といわれていた。
古染付系のものは2種に大別されるとされる。
その一つは碗、皿、鉢などの日常食器であり、造りは薄手で、見込にはいかにも飄逸、軽妙洒脱な絵模様が描かれているのが特色で、この文様に魅力を感じた江戸初期の茶人が、景徳鎮窯に水指、花入、向付、鉢、香合などを注文したのが、粗厚で風韻のある古染付で、いまひとつは明の天啓年間(1621~27)に焼造された優品とみられていた。
近年、タイ西北部より染付や赤絵が発掘され、その量と質により、また田杭窯の調査などにより、古染付系のものは景徳鎮や福建省漳州などから、主として東南アジアに輸出されたものがあり、日本へ将来された江戸期の古染付類とは別の「東南アジアに渡った・古染付」があることがわかってきた。
作品解説
時代 17~18世紀
タイ・オムコイ出土品
我が国に将来されているスゲ笠茶碗といわれるものと同種のものと思える。
斬新なデザインは古染付の代表的なもののひとつである。
葡萄文などと同じく笠文も大中小のものがあり、これは中のものになる。
経年のため僅かな風化は見え、高台内に出土時の土を除く際に付けた微細な擦り線があるが、欠けもなく肌も美しく完品といえる。
高台内には砂が混入し、砂の上に置いて焼成したことが解る。
胎土、釉薬、作りなどから景徳鎮民窯作品と考えられる。
洗浄済。
サイズ 径:11.1 高さ:8.0センチ
C-39 タイ出土中国元・青花魚波濤文大壷 陶片13~14世紀
中国元代に景徳鎮窯で焼造された青花大皿の陶片。
青花は我が国では染付と呼称されるが、発明されたのが13世紀の元の景徳鎮窯といわれる。
当時元青花を手にした人は、その美しさに感動したことと推察される。
その後、13世紀から今日まで青花磁器は世界中で製作されてきているが、元青花に勝るものは作られていない。
胎土、コバルト呉須、釉薬、陶工の技術と研鑽、そして国家的な方針と、全てが揃った稀な時代の産物が元青花器といえるのではないだろうか。
近年、タイ北西部より発掘された元青花磁器類は、現代では再現不可能とされ、青花釉裏紅、釉裏紅と共に、中国陶磁史の頂点を訪ねることができる。
作品解説
時代 13~14世紀
タイ・オムコイ出土品
発掘時に立ち会った元青花魚藻文大壷であるが、搬送中に破損したものの陶片である。
この種の完品は数点実見している。
元青花の景徳鎮官窯作品の特色は形状に緊張感が漂う。
胎土はあくまでも白く、コバルト呉須は美しく、絵付けが洗練され、各部の特色は底露胎部分の削りが高度で、焼成後の色あいが共通する。
透明釉は淡い緑青色を呈し、圧倒的な深い美しさを湛えている。
同じ元代の民窯や明、清初のものや漳州窯系の作とは一線を画し、全てに亘り完璧で、どこをとっても陶磁器史上の頂点を極めているといってよい。
器体の厚みや形状、陰刻技法に特色が見え、元青花の研究資料になると思われる。
水洗浄済。
サイズ タテ:23.2 ヨコ:17.4 高さ:11.6センチ
C-38 タイ出土中国明・古染付海賊文形変形皿17~18世紀
作品解説
時代 17~18世紀
タイ・メソート出土品
我が国に伝来しているものは「紅毛人向付」と称されているが、左手が鈎手になっているので、海賊の船長を描いたものとして海賊文とした。
ユニークな変形皿で、雅拙味のある絵付けは古染付変形皿の魅力のひとつといえる。
デザインの優れていることもさることながら、料理を盛り付けてみたくなる形である。
砂質土中から出土しているため比較的劣化が少ない。
経年のため僅かな風化や薄いシミは見え、高台内に出土時に土を取る際に付いた微細な擦り線があるが、欠けもなく完品といえる。
高台内には砂が混入し、砂の上に置いて焼成したことが解る。
胎土、釉薬、作りなどから景徳鎮民窯作品と考えられる。
洗浄済。
サイズ タテ:19.2 ヨコ:13.0 高さ:3.5センチ
ただいまの出品につきましては
ヤフオク
ギャラリー珎玄齋
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/g_chingensai
よりご高覧ください。